毎回世界情勢をわかりやすく解説する無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』の著者・北野幸伯さん。そんな北野さんが今回、「彼の言うことを聞いていれば、もっと日本はすごいことになっていた」と絶賛する高橋洋一氏が、愛国心について綴った著書を紹介しています。

愛国とリアリズム

今、とても面白い本を読んでいます。

 『愛国のリアリズムが日本を救う』

高橋洋一 著/育鵬社

私には、尊敬する人がたくさんいます。その中でも、「この方は、本当にすごい!!!」と感じているのは、高橋洋一先生です。

私は、メルマガを19年配信しています。そして、それより前から、いろいろな人の本を読み勉強していました。それで、「この人は、昔はこんな主張をしていたが、今はこう変わった」とか、「この人は、昔こんな予測をしていたが、今は全然変わった」とかわかります。

「一貫して予測があたりつづけている人」とか「一貫して主張がぶれない人」は、あまりいません。高橋先生は、「大昔から同じことを言いつづけている」数少ない人です。

そして、総理に返り咲いた安倍さんは、まさに高橋先生が主張する経済政策(=大規模な金融緩和)を実行しました。それで2013年は、突然好景気になった。しかし、2014年、安倍総理は、高橋先生が反対しつづけていた政策(=消費税引き上げ)を実施しました。すると、成長率が大きく鈍化してしまった(2013年は2%の成長、14年は0.38%)。

私は、安倍総理を支持していますが、「高橋先生のいうことを聞いていれば、日本はもっとすごいことになっただろう」と確信しています。そんな高橋先生が、非常に興味深い新刊を出されます。

『愛国のリアリズムが日本を救う』。

驚きました。高橋先生がリアリストであることは、疑いありません。しかし、先生が「愛国心」について語っておられるのは、あまり聞いたことがない。興味がでてきました。

まず、「愛国」という言葉について、先生は、こう語っておられます。

本書のタイトルに「愛国」という言葉を使っている。愛国とは読んで字のごとく「自分の国を愛すること」(広辞苑)であり、自らが所属する共同体で生きる人々が、ごく自然に持つ感情であり、その意味に尽きる。「2018FIFAワールドカップ」が今年(2018)6月14日から7月15日までロシアで開催されたが、サポーターたちは自国の勝利を信じて国旗を振り、声を上げて応援していた。サッカーに興味がない人でも日本チームが戦っていれば自然と応援してしまうものだ。これも国を愛する心の表れの一つである。

「愛国心」とは、「ごく自然にもつ感情」であると。では、「リアリズム」については、どうでしょうか?

国という共同体において、そこに生きる人々の雇用が確保され、生きがいを持って仕事に打ち込み、相応の賃金が確保されることは、経済政策の根本だ。相応の賃金の総和が国の豊かさであり、それを実現することが国益の追求となる。そのためには、現実を直視したリアリズムに基づく政策的合理性の追求も必要となる。

ここから、すばらしい言葉がつづきます。

筆者は、「国益を守る」ということが愛国だと思っている。だから「愛国者か?」と問われれば「そうだ」と答える。

「国益を守ること = 愛国」

なんとわかりやすい定義! この本では、「愛国リアリスト」の高橋先生が、日本と世界の大問題を、バッサバッサと斬っていきます。日本を代表する賢人、高橋洋一先生の新刊、是非ご一読ください。北野絶対お勧めです。

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