ランスタッドは10月2日、「理想の上司と職場環境に関する調査」の結果を発表した。調査は今年8〜9月にネット上で実施。一般企業に務める正社員・契約社員、公務員・団体職員の社会人1800人と、2019年新卒入社内定者100人から回答を得た。

希望する上司の性別は、過半数が「どちらでもいい」と回答。しかし「男性がいい」と答えた社会人が38%、内定者が29%と、「女性がいい」(社会人7%、内定者15%)を上回った。

女性内定者「同性より異性の方が厳しくなさそう」「職場でもときめき感じたい」

「男性上司がいい」と回答した女性に理由を聞くと、社会人と内定者で異なる傾向が出た。社会人の理由上位2つは、

「同性の上司がなんとなく無理だから」(32.3%)
「同性の上司より頼りになりそうだから」(31.6%)

だった。一方で内定者は「同性よりも異性の方が厳しくなさそうだから」(58.3%)が1位。次いで、同率で「異なった意見になっても異性だと受け入れやすそうだから」「自分とは異なる考えが聞けて気づきに繋がりそうだから」「(元々異なることが分かっているので)異性のほうが気負わずに話せる」(同41.7%)。

「職場でもときめきを感じたいから」は内定者が25%なのに対し、社会人は1%。調査を行ったランスタッドは「働いているからこそ分かる『リアル』と、あくまでも理想を描く『感情論』とのギャップが見られる結果」としている。

「子育て・育児中も働きやすい制度」求める割合は男女で大きな差

全員を対象に、希望する上司の年齢を聞くと、社会人の89.4%、内定者の96.1%が「同い年もしくは年上がいい」と回答した。理由で最も多かったのは両者ともに「自分よりも経験があるから」、2位は「年上からの指示のほうが受け入れやすいから」だった。

上司に期待することは「正当な評価をしてくれる」が社会人(50.3%)、内定者(60.9%)ともに最多。理想の上司像についても、社会人・内定者双方で「人として尊敬できる」(社会人53.7%、内定者66.6%)が最多だった。

2位は、社会人が「決断力がある」(45.1%)、内定者が「仕事への熱意がある」(33.3%)。また内定者は「プレーヤーとしての能力に秀でている」(24.7%)、「自分の目指したいロールモデルである」(23.8%)が社会人より10ポイント以上多く、調査を実施した同社はここでも、内定者は「より感情的な部分を求める」と分析している。

勤務先の環境に望むものは「有給休暇の取りやすさ」が社会人(61.6%)、内定者(68.5%)共に最も多かった。働き方について、社会人はフレックス制など多様な制度があっても「文化による弊害を感じる」と感じており、内定者の「インフラさえ整っていればどこでも働ける」という考え方と違いが見られた。

性別による違いを見ると、「子育て・介護中にも働き続けられる制度」を求める女性社会人が38%なのに対し、男性は18.8%と差がついた。内定者も、女性が24.6%、男性が10.9%と男女差があり、ジェンダーロールの考えが年代問わず根強く残っていることが露呈した。