『アイガンFORゆ』はレンズがフレームにセットされた完成品

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“もやもやした場所だからこそ、はっきりものを見たい”というメガネユーザーの潜在的ニーズをすくったお風呂専用メガネ『アイガンFORゆ』(愛眼)。2013年に発売後、1年間で販売本数10万本という異例のヒット商品となった──。

 今や複数の商品が市場に並ぶようになったお風呂専用のメガネだが、その元祖といえるのが2013年6月に発売された『アイガンFORゆ』だ。

 企画が持ち上がったのは2011年。メガネ製造・販売を手がける愛眼では、子供を持つ社員から「子供をお風呂に入れる時、メガネがないときれいに洗えているのかわからない」「広い温泉や銭湯では、わが子を見失ってしまい、困った経験がある」という声が上がっていた。

いうまでもなく、それまでお風呂に入る時はメガネを外すのが当たり前のことだった。だからこそ、その常識を打ち破り、お風呂で使えるメガネを生み出せたら、必ずヒットするはず――社員のお悩みから着想を得て、開発が始まった。

 通常のメガネは部品に金属を使用しているものが多いため、錆びてしまったり、レンズそのものも熱に弱く、お風呂では使用できない。開発段階で最も苦労した点もそこで、金属製のネジを使わずにつるをどう折りたたむのか、試行錯誤を繰り返した。

 また、お風呂という完全に無防備な状態で使用するため、安全面の考慮も怠れない。落として踏んでしまった場合でも割れない頑丈さを目指した。

 たどり着いたのが、ポリカーボネートという素材だった。『アイガンFORゆ』は、レンズにもフレームにも熱に強い、この素材を使用している。通常のメガネの耐熱温度が60〜70℃なのに対し、これは120〜130℃と熱による変形が起こりにくい。サウナでも使用でき、そこで時計やテレビも見ることができる。

 いざ発売すると、1年間でおよそ10万本も売れる大ヒット。発売して間もなくは、生産が追いつかないほどだった。その後も年間2万本のペースで売り上げを伸ばし続けている。ここまで売れるメガネは珍しく、開発担当者も「絶対ニーズはあるはずと自信はあったが、まさかここまで売れるとは」と驚いたという。

 ヒットの要因となったのは、「お風呂で使っても曇らない」という点が最も大きい。開発段階では曇り止めの加工がここまで消費者に受けるとは思っていなかった。しかし実際には、普通のメガネをつけたまま入浴している人が予想外に多く、多くのメガネユーザーが、レンズの曇りに悩んでいたのだ。

「シャンプーやボディーソープの見分けがついて便利」「お風呂で半身浴をしながら読書をするのにピッタリ」など、使用したユーザーから圧倒的な支持を受けた『アイガンFORゆ』。SNSや口コミなどでも評判を呼び、発売から5年たった今も売り上げを伸ばし続けている。

※女性セブン2018年10月11日号