西武・辻監督【写真:荒川祐史】

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「1年間応援してくれたファンの前で優勝したかった」

■ソフトバンク 3-1 西武(29日・メットライフ)

 マジック1としていた西武はソフトバンクに1-3で敗れ、10年ぶり22度目の優勝はお預けとなった。29日、本拠地メットライフドームで行われた西武戦。先発の今井、2番手の増田が、ソフトバンクの松田に2打席連続の本塁打を浴びて計3失点。打線もソフトバンク先発のミランダの前に5安打1得点に終わって競り負けた。

 歓喜の胴上げは、札幌で行われる30日の日本ハム戦以降に持ち越しとなった。辻発彦監督は試合後、「残念ですよね。ここでやる試合を応援してくれたファンの前で決めたかったというのは正直なところ。そうは甘くないね」と語った。

 1点を先制した直後の4回に、右手の指から出血しながらも力投していた先発の今井が2死一塁から逆転の2ランを被弾。今井は6回を投げて、この2失点に抑える粘投を見せたが、7回に2番手の増田が再び松田にソロを浴びてリードを広げられた。打線も3回に内野ゴロの間に先制したが、得点はこの1点のみ。

 8回には2死から走者を出して一、二塁のチャンスを作ったが、中村が遊ゴロに倒れて反撃はならず。走者は出しながらも、あと1本が出なかった。9月14日の楽天戦から続いていた連勝は12でストップ。この日が本拠地最終戦のため、20年ぶりの本拠地胴上げは叶わなかった。

「選手たちは大変だけど、もうちょっと頑張ってもらって、あと1つ勝てるように。負けはしょうがないけど、1年間応援してくれたファンの前で優勝したかったのが本音。どこでやっても、皆さん応援してくれると思う。分かち合えるようにしたい」と辻監督。大声援を送ったファンの前での胴上げとはいかなかったものの、10年ぶり優勝へ王手をかけた状況は変わらない。いざ、札幌。敵地で歓喜の瞬間を迎える。(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)