1000人の就職活動生のホンネ

写真拡大 (全9枚)

P&Gのヘアケアブランド「パンテーン」が、無個性や没個性とも表現される日本の就職活動に対するメッセージ広告の展開を開始した。

広告には、「自由な髪型で内定式に出席したら、内定取り消しになりますか?」というメッセージとともに、黒髪を後ろでひとつ結びにし黒いリクルートスーツを着た典型的な就活生の姿が掲載。これらは就職活動を経験した1000人の声で描かれており、近づいて実際にコメントを読むことができるモザイクアートになっている。メッセージは、「ひっつめ髪をほどいた就職活動が、この国の当たり前になりますように」など全部で9パターンあり、新聞広告や渋谷駅、東京メトロ線内で展開している。

なぜ、このようなキャンペーンを展開したのか。パンテーンによると、日本では現在も無意識のうちに「女性はこうあるべき」という固定概念にとらわれる傾向があり、就職活動においても同様に感じていたとのこと。そのため、実際の就活生の声を聞いて伝えることで、「今よりも自由にありのままの姿で自信を持って活躍していくことを後押しできたら」との思いで発足させたという。

パンテーンが今年8月から9月に学生1334人、企業200人に対して行った調査では、就活生の81%が「企業にあわせて自分を偽ったことがある」と回答。就活時の服装や髪について不満を持っていた人も73%だった一方、半数近くの企業は学生の面接時・内定式時の服装や髪は評価に影響しないと回答。服装や髪について学生と企業の間にギャップがあることがわかったとしている。

黒髪・ひっつめ髪・リクルートスーツに疑問を呈するメッセージ広告に、Twitterでは共感の声が多数。「髪がピンクだろうが金髪だろうが仕事に支障はないはずだし、そんなんで人の良し悪しは決まらない」「自分らしい格好でそれを認めてもらえる会社に入社するのがあるべきカタチ」「全社の人事部の皆様に見てもらいたい」といったコメントが寄せられ、大きな反響となっている。