「駅名を、沿線の小中学生から募集します」――関東の大手私鉄、京急電鉄が2018年9月18日に異例の試みを発表し、波紋が広がっている。今年創業120周年を迎えた同社が、沿線に愛着を持ってもらおうと始めた取り組みである。

京急電鉄は、まず地下化によって産業道路(神奈川県道6号線)からやや離れる産業道路駅の駅名を公募で改名すると発表。さらに、他社線との乗換駅などを除く46駅についても、やはり改名案を募り、変更を検討するという。

北品川はシン・ゴジラ駅?


果たして実際に駅名が変わるのはどれくらい?(Inatewiさん撮影、Wikimedia Commonsより)

駅名の改称が確定しているのは産業道路駅だけだが、突然の発表にネットでは、周辺施設や、その場所が置かれた状況などから、駅名候補を出し合う大喜利のような状態になっていた。一例を出すと、こんな感じだ。

北品川→「シン・ゴジラ」
大森海岸→「鈴ヶ森」
港町→「川崎競馬場」「港町13番地」「日本コロンビア跡」
鶴見市場→「鶴見中継所」
鈴木町→「AJINOMOTO前」
花月園前→「兵どもが夢の跡」

駅の近くにある施設やかつてあった工場や競輪場、ゆかりあるコンテンツをヒントにしたアイデアが多い。特に、映画「シン・ゴジラ」でのゴジラ上陸の地で、品川駅より南にある「北品川駅」や、花月園競輪場が閉鎖したのに名前がそのままの「花月園前駅」が改称される可能性が高いと思われている様子だ。

一方で、「雑色」「仲木戸」「六郷土手」「青物横丁」といった、古い地名にルーツを持つ駅名への愛着も根強く、変えてほしくないという声も多く見受けられた。