左がD・コスタ、右上がディ・フランチェスコ息子、右下が父。一体、ピッチ上でどのようなやり取りがあったのか……。 F・ディ・フランチェスコ写真:REUTERS/AFLO その他:Getty Images

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 ユベントスのドグラス・コスタは9月16日、セリエA第4節のサッスオーロ戦で、相手のフェデリコ・ディ・フランチェスコに肘打ちや頭突きを見舞った上、さらに唾を吐いて退場となった。
 
 レーガ・カルチョは18日、D・コスタに4試合の出場停止処分を科した。これで彼は、フロジノーネ、ボローニャ、ナポリ、ウディネーゼとの試合に出場できない。チャンピオンズ・リーグもあり、日程が過密となるなかで、マッシミリアーノ・アッレーグリ監督にとっては小さくない痛手だ。
 
 だが、イタリア衛星放送「Sky Sport」によると、アッレーグリ監督は18日の会見で、「D・コスタは素晴らしい青年だ」とコメント。批判の嵐にさらされているD・コスタが、すでに謝罪したことも忘れてはいけないと述べた。
 
「(先日の暴挙には)みんなが驚いた。誰より、彼自身が驚いただろう。今後はフェアプレーを見せてくれるはずだ。残念ながら、彼は間違いを犯した。我を見失うことは、誰にでもあることだ。あの時の彼は、子どもたちの模範ではなかった。彼自身がそう言って、謝罪している」
 
 ただ、D・コスタの謝罪コメントには、唾を吐きかけた相手であるF・ディ・フランチェスコの名前がなかった。D・コスタは、あるSNSのフォロワーに対し、「彼が何を言ったか君は知らない」「僕は謝らなければいけない全ての人に謝る」と綴り、F・ディ・フランチェスコに対しては謝罪する意思がないことを仄めかしている。
 
 これを受け、一部ではF・ディ・フランチェスコがD・コスタを挑発したとの見方が浮上。なかには、人種差別的な挑発だったのではないか、との声も上がった。これに怒ったのが、F・ディ・フランチェスコ本人と、その父親であるローマ監督のエウセビオ・ディ・フランチェスコだ。
 
 サッスオーロ公式ツイッターを通じ、F・ディ・フランチェスコは「一部メディアによる憶測とでっち上げに、非常に困惑している。全てが侮辱的で中傷的だ」と、怒りを露にした。
 
「僕の倫理観にない人種差別的な言動を、僕がしたとされるのも、それが他人の想像の結果であることも、僕は許せない。リスペクトを求める!」
 
 さらに、父親のE・ディ・フランチェスコも同日の会見で、「彼が言ったとされる言葉を耳にして、私は憤慨している」と息子を擁護している。
 
「唾を吐かれたのは、フェデリコだけだ。人として、これ以上ない屈辱だよ。誰だってやり返してもおかしくない。だが、息子は素晴らしかった。父として誇りに思う。謝罪されなかったのは、息子だけだ。さらに彼は、犠牲者から犯人に仕立てられた。本当にバカげている。これがSNSの世界だ」
 
 本人たちが明かさない限り、F・ディ・フランチェスコがD・コスタに何を言ったのかは分からない。確かなのは、暴挙におよんだD・コスタが処分されたということだ。アッレーグリ監督は、クラブが異議を申し立てず、この処分を受け入れることを明かしている。