コーヒーの消費ランキングから見える統計学の課題

写真拡大

みなさんコーヒーは好きですか?
好きな人は1日何杯でも飲めると言いますよね。
では、どこの国の人が一番コーヒーの飲んでいるのでしょうか?
一人あたりのコーヒーの消費量の国別ランキング(1人当たり年間供給量、2013年)を調べました。

1位 ルクセンブルク  24.48kg
2位 フィンランド   12.34kg
3位 ラオス      10.71kg
4位 スウェーデン   10.1kg
5位 デンマーク    9.54kg
6位 オーストリア   9.52kg
7位 ノルウェー    9.27kg
8位 アイスランド   8.76kg
9位 レバノン     8.73kg
10位 モルディブ    8.58kg
(47位 日本     3.89kg)

1位は断トツでEUの小国ルクセンブルク。一人当たり年間24.48kg消費しており、これは一人あたり1日に7杯以上コーヒーを飲んでいる計算になります。
ICO(国際コーヒー機関)という別の機関が出している消費量の統計でも、ルクセンブルクのコーヒー消費量は26.82kgと2位に倍ほどの大差をつけて1位となっています。

しかし実は、これにはからくりがあるのです。
税率が低いルクセンブルクに近隣の国からわざわざ国境を越えてコーヒーを買いに来る人がいるためこのような数字になっているのです。
つまり、実際にルクセンブルク人が平均1日7杯以上飲んでいるわけではないということ。
ドイツに住む人などは、ガソリンの価格が安いルクセンブルクにガソリンを入れに来たついでにコーヒーや食料品もついでに大量買いしていく人もいるのだそうです。

統計が実情を示さなくなってしまったので、ICO(国際コーヒー機関)は2013年でEUに関しては国ごとの消費量の統計をやめてしまい、2014年からはEU全体での消費量を調査するようになりました。

EU域内の行き来が頻繁な地域では、日持ちがする食品の消費量に関する統計を正確に取ることが難しくなっているようですね。

【参考】
FAO(国際連合食糧農業機関)統計(供給量ベース、2013年時点)
ICO(国際コーヒー機関)統計