「誰かが殺した」自己破産と父の死因の関係性は
2005年12月07日07時56分 / 提供:PJ
記者が起こした神戸地方裁判所への国家賠償請求事件「父(渡辺省三)の死は、自殺ではなく他殺。警察と検察はずさんな捜査で自殺と速断し、適正な捜査を怠った」として、国と県を相手に総額1000万円の損害賠償を求めてた民事訴訟が今年4月、棄却された。13回にわたる口頭弁論では、西宮市甲子園に父が所有する渡辺ビルで、ビルテナントの賃借人が自己破産したことをめぐり、テナントの賃貸契約解除金400万円を、父の死亡当日午後1時30分に、破産管財人に手渡す約束になっており、父がその時刻に神戸市中央区京町のビルから飛び降り自殺をするはずがない、と記者は主張し続けた。
破産事件についての概要
ビルテナントの賃借人は、貸し主である父から業務停止を余儀なくされ業務停止により、それまで支払っていた事業資金ローン2000万円を払えなくなったとして1998年7月、神戸地方裁判所尼崎支部に自己破産の申し立てた。一方、父は賃借人が事業資金ローンを借り入れる際に連帯保証人となり、賃借人の業務向上を支援していた。父は賃借人が、裁判所に自己破産の申し立てを起こした後も、父が連帯保証している2000万円を賃借人に代わって支払ってあげれば、賃借人は自己破産をしなくても済むのではないかと、弁護士に相談したことを機に、弁護士と知り合いになった。
その弁護士は、賃借人が破産申し立てをすれば、管財人の指示に従うしかないのだとアドバイスをされ、父の考えは、間違っているのだとの説明であった。父は別の弁護士にも同じことを相談した。そして、別の弁護士のアドバイスにより、父は考えどおり1998年8月5日、父が連帯保証している賃借人の債務2000万円を、即金で1000万円、残る1000万円を1年後に即金で返済する旨を、金融機関(国民金融公庫)と契約を交わした。
さらに、貸し主が賃借人の連帯保証人を兼ねている場合、貸し主は賃貸契約保証金を連帯保証債務として充当することで相殺できるため、8月31日に、父が賃貸契約解除金400万円を破産管財人に支払うことは全く必要なかったことを、記者は後になって弁護士から説明を受けた。
父はそれから26日後の8月31日午後1時15分、神戸市中央区京町にある11階ビル前の路上で、転落遺体として発見された。父と最後に言葉を交わした阪神球団関係者の話によると、「渡辺さんは、『弁護士に会う』といって、午前11時30分ごろ、球団事務所を出た」という。父はビル前で、警察に身元不明の変死体として発見され、警察が身元すらわからない状態にある午後2時25分、父の携帯電話を使用して、誰かが弁護士事務所に電話を入れていた事実を記者は不審に感じ、その後独自で調査を続けた。
原告である記者の主張
父のビルの賃借人は、渡辺ビルで美容室を経営していたが、1998年6月29日の朝、突然、自己破産の準備に入った旨の張り紙をして、従業員を解雇した。同店の明け渡しに関しては、父が弁護士に依頼(委任契約はしていない)し、破産管財人と交渉した結果、8月31日午後1時30分に、渡辺ビルで弁護士が保証金400万円を破産管財人に支払うことで、同店の明け渡しと破産差し押さえの公示などを剥がしてもらうことになっていた。そして、この手続きに父も立ち会う予定になっていた。したがって、この日の父の予定からしても、自殺をするとは考えられない。
被告の主張
原告らが自己破産の経験があればともかく、そのような経験がない一般人が破産の手続きに詳しいとは思えず、そうであるから、賃借人の破産に伴う渡辺ビルのテナント明け渡しに関する手続きを原告らは、代理人として弁護士に依頼していたと考えられるのであるし、原告にとって、賃借人は、賃貸借契約の保証金を支払う相手方といえるのであって、賃借人の破産管財人を原告が「相手方弁護士」と説明することも十分考えられることである。
さらに、賃貸借契約の保証金の支払期日などについては、破産管財人と弁護士との連絡によって調整がなされているはずであり、また、原告らが主張するとおり、原告らが賃借人の自己破産の申し立てを中心として、示談交渉を弁護士に依頼していたのであれば、原告タツエは、賃借人の自己破産申し立て及びそれに関連する事項については弁護士が交渉しているという程度の認識で、成り行きの詳細を認知していたとは思えず、したがって、原告タツエが、刑事らからの事情聴取に応じた際、「相手方弁護士」と交渉したと刑事らに話した可能性も十分考えられるのである。
前述のとおり、原告タツエは、賃借人の借金問題について詳しく把握していなかった疑いが強いうえ、事情聴取の際、原告タツエは呆然としていたと同人が陳述書で述べているように、原告タツエは突然夫を亡くし、少なくともいつもと同じ精神状態にはなかったのであるから、賃借人の負債総額3000万円と賃借人の借金の保証額とを混同して話した可能性を否定し得ないし、故省三が連帯保証人となった賃借人の借金に関して整理して刑事らに話せなかった可能性が極めて高い。仮に、刑事が、保証金の額を本来2000万円と記載すべきところを誤って3000万円と記載したとしても、故省三が賃借人の多額の借金保証人となっていたという趣旨においては何ら変わりない。
裁判所の判断
亡省三が事件当日に、テナント賃借人のテナント明け渡しに立ち会う予定であったとしても、亡省三は事件処理を弁護士に委任していたのであり、必ずしも亡省三が立ち会う必要はなかったはずであるから、このことで、自殺の動機を否定するものとまではいえない。【了】
破産事件についての概要
ビルテナントの賃借人は、貸し主である父から業務停止を余儀なくされ業務停止により、それまで支払っていた事業資金ローン2000万円を払えなくなったとして1998年7月、神戸地方裁判所尼崎支部に自己破産の申し立てた。一方、父は賃借人が事業資金ローンを借り入れる際に連帯保証人となり、賃借人の業務向上を支援していた。父は賃借人が、裁判所に自己破産の申し立てを起こした後も、父が連帯保証している2000万円を賃借人に代わって支払ってあげれば、賃借人は自己破産をしなくても済むのではないかと、弁護士に相談したことを機に、弁護士と知り合いになった。
その弁護士は、賃借人が破産申し立てをすれば、管財人の指示に従うしかないのだとアドバイスをされ、父の考えは、間違っているのだとの説明であった。父は別の弁護士にも同じことを相談した。そして、別の弁護士のアドバイスにより、父は考えどおり1998年8月5日、父が連帯保証している賃借人の債務2000万円を、即金で1000万円、残る1000万円を1年後に即金で返済する旨を、金融機関(国民金融公庫)と契約を交わした。
さらに、貸し主が賃借人の連帯保証人を兼ねている場合、貸し主は賃貸契約保証金を連帯保証債務として充当することで相殺できるため、8月31日に、父が賃貸契約解除金400万円を破産管財人に支払うことは全く必要なかったことを、記者は後になって弁護士から説明を受けた。
父はそれから26日後の8月31日午後1時15分、神戸市中央区京町にある11階ビル前の路上で、転落遺体として発見された。父と最後に言葉を交わした阪神球団関係者の話によると、「渡辺さんは、『弁護士に会う』といって、午前11時30分ごろ、球団事務所を出た」という。父はビル前で、警察に身元不明の変死体として発見され、警察が身元すらわからない状態にある午後2時25分、父の携帯電話を使用して、誰かが弁護士事務所に電話を入れていた事実を記者は不審に感じ、その後独自で調査を続けた。
原告である記者の主張
父のビルの賃借人は、渡辺ビルで美容室を経営していたが、1998年6月29日の朝、突然、自己破産の準備に入った旨の張り紙をして、従業員を解雇した。同店の明け渡しに関しては、父が弁護士に依頼(委任契約はしていない)し、破産管財人と交渉した結果、8月31日午後1時30分に、渡辺ビルで弁護士が保証金400万円を破産管財人に支払うことで、同店の明け渡しと破産差し押さえの公示などを剥がしてもらうことになっていた。そして、この手続きに父も立ち会う予定になっていた。したがって、この日の父の予定からしても、自殺をするとは考えられない。
被告の主張
原告らが自己破産の経験があればともかく、そのような経験がない一般人が破産の手続きに詳しいとは思えず、そうであるから、賃借人の破産に伴う渡辺ビルのテナント明け渡しに関する手続きを原告らは、代理人として弁護士に依頼していたと考えられるのであるし、原告にとって、賃借人は、賃貸借契約の保証金を支払う相手方といえるのであって、賃借人の破産管財人を原告が「相手方弁護士」と説明することも十分考えられることである。
さらに、賃貸借契約の保証金の支払期日などについては、破産管財人と弁護士との連絡によって調整がなされているはずであり、また、原告らが主張するとおり、原告らが賃借人の自己破産の申し立てを中心として、示談交渉を弁護士に依頼していたのであれば、原告タツエは、賃借人の自己破産申し立て及びそれに関連する事項については弁護士が交渉しているという程度の認識で、成り行きの詳細を認知していたとは思えず、したがって、原告タツエが、刑事らからの事情聴取に応じた際、「相手方弁護士」と交渉したと刑事らに話した可能性も十分考えられるのである。
前述のとおり、原告タツエは、賃借人の借金問題について詳しく把握していなかった疑いが強いうえ、事情聴取の際、原告タツエは呆然としていたと同人が陳述書で述べているように、原告タツエは突然夫を亡くし、少なくともいつもと同じ精神状態にはなかったのであるから、賃借人の負債総額3000万円と賃借人の借金の保証額とを混同して話した可能性を否定し得ないし、故省三が連帯保証人となった賃借人の借金に関して整理して刑事らに話せなかった可能性が極めて高い。仮に、刑事が、保証金の額を本来2000万円と記載すべきところを誤って3000万円と記載したとしても、故省三が賃借人の多額の借金保証人となっていたという趣旨においては何ら変わりない。
裁判所の判断
亡省三が事件当日に、テナント賃借人のテナント明け渡しに立ち会う予定であったとしても、亡省三は事件処理を弁護士に委任していたのであり、必ずしも亡省三が立ち会う必要はなかったはずであるから、このことで、自殺の動機を否定するものとまではいえない。【了】
※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。
パブリック・ジャーナリスト 新納 直子
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