山麓が燃えているかのような紅葉が広がるイワオヌプリの紅葉/画像提供:俱知安町 観光課

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未だ豊かな自然が残る北海道。山全体が色づく景色は圧巻の一言だ。紅葉の訪れも早く、中でも北海道最高峰を誇る大雪山・旭岳は9月中旬から下旬に見ごろを迎える。一方、札幌市内は11月上旬ごろまで楽しむことができる。

【写真を見る】紅葉のアーチ越しに望む、滝上渓谷・錦仙峡の紅葉/写真提供:滝上町観光協会

ここでは北海道の中でも見応えのあるフォトジェニックなスポットを10か所紹介する。

■ イワオヌプリ

イワオヌプリは、ニセコ積丹小樽海岸国定公園内にある活火山。山肌が硫黄の結晶や火山れきに覆われている。短時間で登頂できるため、登山初心者にお勧めのスポットでもある。

秋の紅葉は例年9月下旬から10月中旬までに見頃を迎える。ナナカマドやダケカンバが鮮やかな赤や黄色に色付くと、山麓はまるで燃えているかのような鮮やかさに。その姿は松の緑と相まって彩り豊かだ。

■ 滝上渓谷 錦仙峡

滝上町の市街地を流れる渚滑(しょこつ)川を称して「錦仙峡(きんせんきょう)」と呼ぶ。ここは市街地の渓谷ながら、気軽に散策できるのが魅力。川幅の狭い急流は大小の滝をつくり、そこを過ぎるとゆっくり静かに流れ、新緑や濃緑、紅葉、冬景色と四季折々の変化が楽しめる。

両岸には足に優しいウッドチップの散策路があり、一部はバリアフリーとなっている。10月上旬から見頃を迎える秋には、紅葉のトンネルをくぐりながら美しい渓谷を楽しめる。

■ 国営滝野すずらん丘陵公園

滝野の森のシンボルといえる、360度の景色を一望できる高さ20mの「森見の塔」から望む紅葉が素晴らしく、他にも園内各所で秋の風景が広がる。

例年10月中旬〜10月下旬に見頃を迎え、ハウチワカエデ、ヤマモミジ、カラマツ等の様々な種類の木々が色付く。その時期には毎年「紅葉まつり」も開催され、紅葉スポットを巡ったり、クラフト体験やガイドツアーなどが楽しめる。

■ 定山渓温泉

紅葉の名所といってよいほど、美しく色付く樹木が多く見られる。温泉街から渓流に沿って続く散策路(二見・定山の道)を歩いても見事に色付いたカエデ、ヤマブドウ、ナナカマド、サクラ等の紅葉を楽しめる。特にかっぱ淵の二見吊橋からいこい橋付近が美しい。

今年も紅葉ゴンドラが運行される札幌国際スキー場では、山頂からの眺めを楽しめる。例年、10月中旬が見頃で、定山渓の紅葉ビュースポットをめぐる「紅葉かっぱバス」が運行される。

■ 香雪園(見晴公園内)

見晴公園内にある香雪園は、「旧岩船氏庭園」として道内唯一の国指定文化財庭園となっている。園内には約150種類の樹木が植えられ、四季折々の自然が楽しめる。

10月20日(土)〜11月11日(日)までの間は「はこだてMOMI-Gフェスタ」が開催。期間中は園内がライトアップされ、光に浮かび上がる紅葉した木々が幻想的な情景を醸しだす。またミニライブなどの企画も予定されている。

■ 鏡沼

ニセコアンヌプリの北斜面中腹、登山道の入口から徒歩40分程度の場所にあり、ダケカンバの原生林に囲まれた鏡沼。森閑とした沼は風が止むと波も立たず、鏡のような水面に周囲の風景を映し出す。

秋の紅葉は例年9月下旬から10月中旬に見頃を迎え、ダケカンバやナナカマドが鮮やかに色付き、湖面にもその美しい姿を映し出す。

■ 登別(地獄谷)

紅葉の季節を迎えると、地獄谷周辺や大湯沼周辺のナナカマド、ヤマウルシ、ダケカンバが真っ赤に色付く景勝地。見頃は例年10月中旬から下旬となる。

谷沿いには数多くの噴出口や噴気孔があり、火山ガスや高温の温泉が噴出している。日没から21時30分までは遊歩道のライトアップを実施。湯やガスの噴き出す音が夜の静寂に響き、昼間とは違う幻想的な雰囲気を味わうことができる。

■ 大雪山(高原温泉)

高原温泉周辺は高山植物が豊富にあり、大小の沼や原生林の風景が楽しめる。沼の水面に映る紅葉は素晴らしい景勝地として知られている。

例年9月初旬からイタヤ、ヤナギ、カツラ、シナノキ、ナナカマド、モミジ、カバノキなど、多くの木々が色付き始め、9月中旬から下旬に見頃を迎える。また、熊の出没地でもあるので注意が必要だ。

■ 洞爺湖周辺

洞爺湖沿いから眺める紅葉は、緑・黄・オレンジ・赤と様々な色の葉で染まり絶景だ。遊歩道沿いに並んだ木々や、洞爺湖に浮かぶ中島、周辺の山々の葉の色づきの変化も同時に眺めることができる。

また、北海道洞爺湖の西岸、洞爺湖を囲む大地の端にあるサイロ展望台からは、洞爺湖をはじめ、中島、有珠山、昭和新山等を一望でき、洞爺湖の大パノラマが広がる絶景のポイントだ。

■ 層雲峡

本の滝百選にも入っている「銀河の滝」と「流星の滝」の2つの滝と紅葉の調和が素晴らしいスポット。2本の滝が絶壁・不動岩の左右を流れ落ちる姿はまさに圧巻。

例年、9月下旬から色付き始め、10月上旬にイタヤカエデ、ナナカマド、カツラ等が見頃を迎える。滝を背に20分ほど斜面を登ると「双瀑台」の展望台へ行くことができる。(東京ウォーカー(全国版)・栗原祥光)