高校在学中だった18歳の時の逮捕から20年。今月10日に覚醒剤取締法違反で4度目の逮捕となった、女優三田佳子(76)の次男・高橋祐也(38)。改めて薬物を断つことの難しさを世に知らしめたが、薬物依存治療の第一人者である、国立精神・神経医療研究センター薬物依存研究部の松本俊彦部長は「4回目の逮捕は医学的立場からすると回復までに必要な過程」なのだという。

 何度も逮捕されることがなぜ必要な過程なのか。

「薬物依存は慢性疾患で、禁煙やダイエットと同じように失敗と寛解を繰り返しながら軌道修正していきます。その過程で再び薬物を乱用したり、7、8回は大失敗を繰り返すことがあります」

 結婚もし、子どもも誕生。薬物とは縁が切れたように見えた時期もあったが。

「ご本人も苦い体験をされ、本当にもう二度と関わりたくないと思ったはず。ところが薬物は“喉元過ぎれば忘れてしまう”ところが難しい」

 高橋は3回目の逮捕の際は実刑となり、刑務所に服役していたが、薬物依存は治らなかった。

「刑務所は依存症の治療に関してはマイナスな面も多々あります。薬物がないので欲求を自覚しなくなりますが、でもそれは依存症が改善したわけではなく、薬物が身近にある世界に戻ったら反動が出てしまう。また、服役すると少しでも早く仮釈放を得たいがために優等生発言を繰り返し、本音を話さなくなる。嘆くこと、助けを求めることが回復の一歩なのですが、『覚醒剤をやりたい』『やってしまった』と素直に言えるようになるまでに1年以上かかってしまいます」

 高橋は18歳から20年、いまだに薬物と縁が切れなかった。

「期間が長くなるほどサポーターが減り、ますます社会から孤立し、薬をやめるモチベーションがなくなるのが問題。そのため、50代の薬物犯罪者の再犯率が80%を超えるというデータもあります。仕事がなく、就ける仕事が麻薬の売人だけという状況もあるのです。日本では薬物犯罪者は社会的に排除される傾向にありますが、本来、薬物依存から回復させるためには受け皿が必要なのです」

 母親の三田佳子はまたしても過保護バッシングにさらされている。

「日本は親の責任をいつまでも問われますが、三田さんはリハビリ施設に入れるなど十分手を貸してきたし、母親としてやるべきことはやっていると思います」

 今後はどのようにすべきなのか。

「高橋さんも回復プログラムに参加していたようですが、途中でやめてしまったのでしょうか。薬物依存は刑務所に入って回復する病気ではありません。再発と寛解を繰り返し、七転び八起きで付き合う病気です。再びプログラムにつながり続けていることを願っています」