ジャニーズJr.の黄金時代を牽引した

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「東のタッキー、西のすばる」――。ジャニーズJr.黄金時代の1999年ごろ、東西Jr.の代表的存在だったアイドル2人を、人はそう呼んだ。「タッキー&翼」の滝沢秀明さん(36)と「関ジャニ∞」の渋谷すばるさん(36)のことである。

奇しくも、そんな2人がともに2018年いっぱいでジャニーズ事務所のタレント活動を終了することとなった。

「毎日一緒にいた」Jr.時代

滝沢さんは1995年、13歳でジャニーズ事務所入り。当時のジャニーズJr.は「8時だJ」(テレビ朝日系)など多くのレギュラー番組を抱える人気ぶりで、滝沢さんは「嵐」「関ジャニ∞」などでデビューする前の後輩たちをまとめ上げ、史上初のJr.単独の東京ドーム公演を成功に導くなど、Jr.黄金時代の先頭に立っていた。

そんな滝沢さんと並び称される存在だったのが、渋谷さんだ。97年、15歳で事務所入り。ジャニーズJr.として「ミュージックステーション」(テレビ朝日)に初出演した際、ソロで「愛してる 愛してない」を熱唱し、人気に火がついた。歌唱力の高さで、のちに「関ジャニ∞」をともに結成する村上信五さん、横山裕さんらと関西ジャニーズJr.を牽引していた。

「東のタッキー、西のすばる」(東の滝沢、西の渋谷)。いつしか人は、滝沢さんと渋谷さんの黄金コンビをそう呼ぶようになった。東西の「両雄」は仕事場だけの関係でなく、プライベートでも仲が良かったことで知られる。

既に渋谷さんや村上さん、横山さんらが本格的に東京進出を果たしていた1999年ごろのこと。当時、渋谷さんと滝沢さんは「半同棲」状態にあった。渋谷さんは17年11月放送の「櫻井・有吉のTHE夜会」(TBS系)で「毎日(滝沢さんと)一緒にいたんです」と振り返り、こう語っている。

「(滝沢さんの家の)近くに住んでいたんです。ずっとタッキーの家にいましたね。何するわけじゃなく、ボーっとする。タッキーは当時から、映像の編集みたいなことが好きで、部屋の奥でずっとパソコンをやってて、邪魔したら怒られるから、オレはボーっとしていました」

番組で共演した村上さんが「飯とかはどうしていたの?」と聞くと、渋谷さんは「タッキーが作業をしていて『ラーメン行くか』みたいなことになったら、付いて行って」と話した。「邪魔したら悪いから」と、自ら食事に誘おうとしなかったそうで、村上さんも「それはオレも知らんかった」と驚いていた。

「平成最後に、東のタッキーも西のすばるもいなくなる」

渋谷さんは18年4月、「関ジャニ∞」から脱退し、12月31日をもってジャニーズ事務所を退所すると、記者会見で発表した。「自分の音楽を追究していきたい」。海外を拠点に音楽の勉強に専念するとして、新たな道を歩み始めた。

一方、滝沢さんも9月13日、今井翼さんとのデュオ「タッキー&翼」が10日で解散したと、事務所の公式サイトで発表した。18年内いっぱいで芸能界を引退し、事務所でJr.の育成や舞台やコンサートのプロデュースに専念する。「私自身がいつの日からか意識しずっと頭の中に描いていたことであります」と、こちらも将来の目標に向かって突き進む形だ。

13日の滝沢さんの発表を受け、インターネット上では「2018年12月31日は東のタッキー西のすばるが同時にジャニーズ事務所のタレントから引退するということ」とショックを受けるファンが続出。ツイッター上には、

「平成最後に、東のタッキーも西のすばるもいなくなるとか信じられん」
「東のタッキー西のすばるがジャニーズとして表舞台を去る...ありがとうアイドルでいてくれて」
「東のタッキー西のすばる この2人が同時に芸能界から姿を消す2018年を誰が予想してただろうね...」

などと、驚きや悲しみが広がっている。

こうした反応が少なくなかったのは、「東のタッキー、西のすばる」の再共演を期待していたファンが多かったことの裏返しでもある。実は、滝沢さんと渋谷さんは15年末の「ジャニーズカウントダウンコンサート2015-2016」で、「奇跡」のコラボレーションを果たしており、今でもファンに語り継がれているのだ。

「僕らそれぞれの道を行く」

ジャニーズの各グループが15年大みそかから16年元日にかけて、東京ドームで「カウントダウンコンサート」を開催。目玉の企画「初夢2ショット」では、ファンから事前に「見てみたい2ショット」のアンケートをとっており、コンサート中に上位5組のコラボを披露した。

第4位の東山紀之さんと「嵐」大野智さんら、そうそうたる組み合わせをおしのけて、第1位に輝いたのが、「東のタッキー、西のすばる」だった。滝沢さんは「東の滝沢」、渋谷さんは「西の渋谷」と書かれたTシャツを着用して登場。選曲は、Jr.時代によく2人で歌っていた「明日に向かって」だった。

滝沢さんの引退発表を受けて、このコラボは改めて「東のタッキー西のすばるカウコンでの復活は忘れない」「2015-2016のカウコンはほんまにほんまに永久保存版」「3年前のカウコンは本当に奇跡だったんだね」と注目を集めている。

なかでも、一部のファンからは「2番のサビが、2018年になって最大級の意味を持ってしまうなと思った」との声も。「明日に向かって」の2番サビには、こんな歌詞があるのだ。

「僕らそれぞれの道を行くけど 必ずどこかでつながってるんだ」(実際のコラボで、2番は歌っていなかった)

「東のタッキー、西のすばる」はいつまでも「どこかでつながっている」――。