スコールで試合開始が30分遅延したが、スタジアムには多くのファンが集結。カンボジア代表が先制ゴールを決めた際には大歓声が起こり、本田の口元が緩む場面も。 (C)REUTERS/AFLO

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 選手としてはオーストラリアのAリーグ、メルボルン・ビクトリーに所属しつつ、カンボジア代表の事実上の"監督"に就任した本田圭佑。初陣となったマレーシア代表戦では、先制しながらも1-3の逆転負けを喫した。

 試合後の会見で本田は「監督である僕に責任がある」と認め、初めて”監督”という立場で挑んだ試合について、こう語っている。

「結果が出なかったことは僕に責任があるし、何かやれたことがあったのだと思います。敗北には理由がある。それを考える時間がサッカーでは大切だと思う。もしかしたら、まだ何が難しいのかということさえ分かっていない状況かもしれない。僕は、今日の敗戦を忘れることはないでしょう」

 では、海外のメディアは本田の采配とカンボジア代表のプレーをどう評価したのだろうか。

 メキシコメディアの『mediotiempo』は本田の初戦を、「パチューカに在籍していたホンダが指導者として新しいアドベンチャーを始めた!」と報じ、ベトナム紙『DANTRI』は「ホンダが率いるカンボジアは、前評判に臆することなく、マレーシアを恐れることはなかった。カンボジアの敗北は前提とされていたが、ホンダの指導効果を感じるシーンも多かった。彼らは今後に良いシグナルを灯した」と好意的に評している。
 
 一方、米スポーツ専門チャンネル「Fox Sports」アジア版は、「カンボジアのプノンペンは、日本の“攻撃的レジェンド”であるホンダが登場したことで、スタジアムは興奮に包まれていた。だが、試合ではマレーシアが力を見せつける結果となった」と報じている。

 また、カンボジアの全国紙『Khmer Times』は「ホンダはデビューで手痛い敗北を被る」というタイトルをつけ、以下のように報じた。

カンボジアのファンは昨日、ケイスケ・ホンダが代表チームを率いた最初の試合で、マレーシアに1-3で敗れた事実を目の当たりにした。

 プノンペンのオリンピック・スタジアムのファンたちは“ホンダ劇場”に期待した。18分には見事なボレーシュートが決まり、スタジアムは興奮に包まれた。ホンダの守備トレーニングはカンボジアに浸透していた。しかし、後半に追いつかれると、途中交代で入った選手に逆転弾を決められ、ホンダは完全に運を失った。

 メルボルン・VのMFで“パート・タイム”の日本人GMは、11月に開幕するAFFスズキカップの試合で、よりよいパフォーマンスが望まれる」

 カンボジアでの本田の人気は高く、厳しめの評価は期待値が高いことの裏返しともいえるだろう。今後に控えるカンボジア代表戦も、国内外から注目が集まりそうだ。