“運命の四王子”が目印の最新『キン肉マン 64巻』好評発売中です!

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「週プレNEWS」連載中(毎週月曜更新)の漫画『キン肉マン』(ゆでたまご作)のジャンプコミックス(以下、JC)各巻の中から、ゆでたまご先生ご自身にお気に入りの原画を選んでご紹介いただくシリーズ企画"ゆで原画"第12回。

宇宙の彼方から攻めてきた新たなる刺客"オメガ・ケンタウリの六鎗客(ろくそうかく)"に対し、正義超人軍最後の砦となったウルフマン&キン肉マンの日本代表コンビが必死の防戦を試みる現在連載中シリーズ、その最新JC64巻が好評発売中!

その最新刊を読む前に......おさらいを兼ねて、今回もその前巻となるJC63巻から、作者・ゆでたまごの両先生に思い入れの深い漫画原稿一枚をそれぞれ理由も添えて選んでもらった。

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まずは作画担当・中井義則先生に選んでいただいたのがこの一枚(JC63/34ページより)。

六鎗客の猛攻にティーパックマン、カナディアンマン、ベンキマン、カレクックの4名が既に敗れ、劣勢が続く正義超人雑草軍団。仲間の危機に現場のスペインへ急ぐキン肉マンだが、道のりは遠く間に合いそうにない! しかしそこに謎のワープホールが出現、キン肉マンは訳のわからぬまま一気にスペインへ。

陰からキン肉マンに手を差し伸べた存在の正体は、先の大戦でキン肉マンたちを散々苦しめた完璧超人始祖(パーフェクト・オリジン)の生き残り"完璧・陸式(パーフェクト・シックス)"ジャスティスマンだった!

――中井義則先生(ゆでたまご・作画担当)コメント

「この巻のメインの流れからは外れてるので六鎗客やカレクックたちには少し申し訳ないんですけど、正直に一枚選ぶとなるとこれになります。

というのも、前のシリーズから登場したこのジャスティスマンは、作者という立場を忘れてただの絵の描き手として言わせていただくなら、描くたびに自分のポテンシャルを引き上げてくれる気がしている超人なんです。

『キン肉マン』にはたくさんの超人が次々と登場しますけど、時々そういう超人が出てくることがあって、このジャスティスマンは僕の中ではまさにそういうタイプの最も新しい超人です。

彼の初登場から、最初のアシュラマン戦(JC50巻収録)、その次のテリーマン戦(JC54巻収録)、そして試合後のシルバーマンたちとのやりとりから退場へと続くシーン(JC55巻収録)、描くたびに自分の腕が今どれくらいなのか、どういう新たな描き方ができるようになったか、ハッキリと確認できるんですよね。

だから彼を描くのは毎回、本当に楽しい。もちろん難しいですけど、その手応えが毎回しっかりと感じられる珍しい超人です。

それだけに今の新シリーズでもジャスティスマンの登場シーンがあるというのは、その数週前から相棒(ゆでたまご原作担当・嶋田隆司先生)に聞いてはいましたけど、その時からまた描けるのが本当に楽しみで。登場シーンは絶対、まるまる一枚使ってやろうというのはその時から考えてました(笑)。

この静かな佇(たたず)まいと貫禄(かんろく)は、周りを見渡しても『キン肉マン』の中では他になかなかいない。そういうキャラクターが自分たちの作品から生まれてきてくれたのも、僕としては非常にうれしいことだと思ってます」

そしてもう一枚、原作シナリオ担当・嶋田隆司先生に選んでいただいたシーンがこちら(JC63/124ページより)。

正義超人軍最強の男・キン肉マンがいよいよ六鎗客の襲撃現場であるスペインに到着。六鎗客のリーダーであるオメガマン・アリステラはキン肉マンの到着に歓喜し、さっそく直接対決を迫る。キン肉マンもその申し出を果敢に受け入れかけるが、そこに待ったをかけたのがウルフマン。

まだ戦闘中の自分の闘いをないがしろにするな、しっかり目に焼き付けろと、己の意地をかけて、ウルフマンはかつての日本代表同士のライバルに吼えた!

――嶋田隆司先生(ゆでたまご・原作担当)コメント

「ウルフマンを出してほしいという読者の声は僕も予想していなかったほど前のシリーズから多くて、まずその声に応えたいという思いがありました。読切では描きましたけど、いよいよ満を持して本編で数週にわたって試合を描くぞと。

ここのセリフはそんな僕自身の決意も込めたものなんですけど、それを汲み取ってくれたのか、まさか中井君がそこをこれほど大胆に切り取って一枚絵に仕上げてくれるとまでは思ってなかったので、最初にコマ割りを見た時は僕もビックリしました(笑)。でもいい絵に仕上げてくれましたね。おかげで非常に印象深いシーンになったのではないかと思います。

それにちょっとケンカ腰と言いますか、キン肉マンに対してこういうラフな物言いができる超人って、他の正義超人を見渡しても実はあまりいないんですよね。ロビンマスクやラーメンマンだともっと落ちついてるし、テリーマンだと近すぎる。

ここまで対抗心を残しながら、それでもしっかりそこに確かな友情が感じられるというのは、キン肉マンとウルフマンの間でしか出せない関係性だなって。このウルフマンの試合を新たに描くにあたって改めて気づきました。セリフだけじゃなくてこの表情、ポーズにその全てが表れているようで、僕もお気に入りの一枚ですね」

この後、キン肉マンとの友情あふれる掛け合いを経て、六鎗客のルナイト相手に一世一代の大勝負に出るウルフマン。その闘いの結末は!?

そしてさらなる驚きの援軍が、キン肉マンたちの前に姿を現して......!

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今回ゆでたまご先生におさらいしてもらったJC63巻に続く、9月4日(火)発売のJC『キン肉マン』64巻での新展開に乞うご期待!

■次回"ゆで原画"第13回はJC『キン肉マン』65巻(2018年12月4日発売予定)の発売直前、11月末頃にお届けいたします。お楽しみに!

取材・文/山下貴弘 ©ゆでたまご/集英社