スペイン北部北部アストゥリアス自治州エルラニャドイロの木彫りの聖母子像の修復前(左)と修復後(右、2018年9月7日作成)。(c)DSF / AFP

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【AFP=時事】スペイン北部アストゥリアス(Asturias)自治州にある人口わずか28人の小さな村エルラニャドイロ(El Ranadoiro)で、15世紀につくられた木彫りの聖母子像の修復を素人の女性に任せたところ、派手なピンクや黄緑色に塗られてしまい、またスペインで素人が芸術の修復に手を出して散々な結果に終わったと、大きな話題になっている。

 修復前の聖母子像は簡素な木彫りの像だったが、聖母マリア(Virgin Mary)のマントは鮮やかなピンクに、衣服はスカイブルーに塗られ、目にはアイラインまで描かれた。幼子イエス・キリスト(Jesus Christ)の衣服も明るいライムグリーンに塗られた。

 スペインでは2012年にも、北東部ボルハ(Borja)の教会で高齢女性が修復したフレスコ画「Ecce Homo(この人を見よ)」のキリストが、修復前とは似ても似つかない漫画のサルのようになってしまった例があるが、エルラニャドイロの聖母子像の修復もこれに匹敵するレベルだ。

 現地紙コメルシオ(El Comercio)によると、聖母子像を修復したのは地元住民のマリア・ルイサ・メネンデス(Maria Luisa Menendez)さん。教会の主任司祭から着色しても良いと許可を得たという。メネンデスさんは同紙に「私はプロじゃないけれど、昔から修復作業は好きだった。この像たちには着色が必要だったの。だから私はベストを尽くして色を塗ったのよ。私はとてもいい色になったと思うし、ここのみんなも気に入ってくれた」と語っている。

 この木像の修復を2002〜03年に担当したルイス・スアレス・サロ(Luis Suarez Saro)さんは、メネンデスさんについて「絵を描くことが好きな人で、絵画講座の受講経験もある。彼女には、このやり方のほうが像が良くなると思ったんだろう」とAFPに述べ、理解を示した。

 メネンデスさんの修復をめぐっては、インターネット上でさまざまな意見が飛び交い、大騒ぎになっている。スペインの美術品保存協会ACREも「われわれの国でこのような略奪行為が続いているのに、気に掛ける人はいないのか? われわれの祖先の遺産が目の前で破壊されていくのを、ただ黙って見ているとは、いったいどんな社会なのか」とツイッター(Twitter)で警鐘を鳴らした。
【翻訳編集】AFPBB News