シメオネ(19番)など若き逸材たちが代表デビューを飾り、快勝スタートを切った“新生”アルゼンチン。その結果を母国紙はどう見たのか? (C) Getty Images

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 現地時間9月7日、アルゼンチンはアメリカのロサンゼルスで、グアテマラとの国際親善試合に臨み、3-0と快勝した。

 先のロシア・ワールドカップでベスト16止まりだったアルゼンチン。大会直後にホルヘ・サンパオリ監督を解任し、リオネル・スカローニ暫定監督の下で再出発を図るなか、今回の代表チームは、年内の代表活動を休止することを決めたエース、リオネル・メッシなど、いわゆる重鎮たちが外れ、フレッシュな顔ぶれがそろった。

 試合は、27分に相手のハンドで得たPKをゴンサロ・マルティネスが決めてアルゼンチンが先制。35分にはベティスで乾貴士の同僚でもあるジオバニ・ロ・チェルソが強烈なミドルシュートを突き刺し、さらに44分、あのディエゴ・シメオネの長男であるジョバンニ・シメオネが代表デビュー戦で初ゴールを決め、3-0で勝利した。

 過渡期を迎えるなかでの重要なテストと位置付けられたこのグアテマラ戦のメンバーは、主力を固定してきた近年では類を見ないほど新鮮な顔が並んだ。交代出場も含め、出場した17人のうち、ロシアW杯メンバーは3人のみ。先発メンバーの5人と、交代で出場した6人が、この試合で代表デビューを飾っている。

 まさに“新生”アルゼンチンと呼ぶにふさわしいチームだったが、初陣に対する評価はいかほどなのか? 全国紙『Ole』は「新しいゴール、そしてこれぞ新しい人生だ」と銘打ったマッチサマリーで、次のように代表の戦いぶりを評した。

「スカローニによる新しい代表チームの初陣は、いずれも代表初得点の選手たちによって彩られた。彼らは“非常に弱い敵”に対して、しっかりと力の差を見せつけた。

 非常に素早い切り替え、素早いサイドアタック、攻撃的な姿勢、尽きることのないトランジション……我々の代表チームは、それら全てで相手を凌駕した。グアテマラが弱かったとはいえ、内容でも素晴らしかったこの結果は、上々と言えるだろう」

 地力の差を見せつけての納得の一勝を喜んだ同紙は、現地時間9月11日に行なわれる強敵コロンビアとの親善試合を見据え、次のようにサマリーを締めくくっている。

「コロンビアはより強敵で、競争力のある相手になるだろう。そこには、合流が遅れているイカルディやディバラ、コレアも間に合うはずだ。しかし新しい時代を迎えたアルゼンチンは、戦術そのものを変えることはしないはずだ。なぜなら、グアテマラ戦の戦士たちは数多くのゴールを挙げ、何より皆が笑顔だったからだ。その始まりは、誰もが納得できるものだった」

 地元紙に称賛される試合を演じ、見事に初陣を飾ったアルゼンチン。続くコロンビア戦でも、同様に戦う姿勢を見せられるのか? そのパフォーマンスに注目したい。