合成着色料商品

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愛猫・愛犬が食べてはいけない「ペットフード」実名リスト(1)

 今やペットは「愛玩動物」に留まらず、「家族の一員」。愛犬、愛猫の健康長寿を望まない飼い主はいないだろうが、では、それを支えるべき毎日の「食」の実態はいかがだろうか。スーパーやホームセンターで飛ぶように売れる「ペットフード」。その裏側を覗いてみると……。

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 はじめに、掲載の表を見ていただきたい。

 これは、危険性が指摘される「合成着色料」が添加された、大手ペットフード会社の商品一覧だ。

 愛犬、愛猫家であれば、見覚えのある商品を見て、驚く方も多いのではないだろうか。

 まさに、現代の日本は「お犬様」「お猫様」の時代。「ペットフード協会」の統計によれば、昨年の日本の犬猫の飼育頭数は、犬892万頭、猫953万頭の計1845万頭に上った。比較したいのは、現在の日本の15歳未満の人口・1553万人。つまり、今の日本では、中学生以下の子どもの数より、ペットの“人口”の方が多い。すなわち、子育てより「ペット育て」をしている人の方が多いというワケだ。

食べてはいけないペットフードとは

 ペット産業は今や1兆円規模。大枚をはたき、ヒトよりもペットに快適な思いをさせている向きも少なくないだろう。

 ところが、だ。

 愛すべき家族となった犬猫の、その健康の根本となる食事について、世の飼い主たちはどこまで知識を持っているのか。あるいは、心を砕いているのだろうか。

 多くは犬猫に市販のペットフードを与えているだろうが、驚くべきことに、日本でそれに法の網がかけられたのは、わずか10年前の2008年。この年、「ペットフード安全法」が成立、翌年に施行された。それ以前は、前出のペットフード協会の自主基準が存在しただけで、ペットフードの世界は法的には「野放し」だった。

合成着色料商品

 そして「法」の成立以後、ペットフードは何を買っても安心か、と問われれば、それは心もとないと言わざるをえない。実際にペットフードを検証してみると、あれにもこれにも首を捻らざるをえないモノが混じっているのである。

「着色料」は必要?

 まずは、商品に味や風味、色を加えたり、保存性を高めたりする「添加物」について検証をしてみよう。

合成着色料商品

 ペットフードに使用されている添加物は、基本的には以下に大別される。

(1)日本で、ヒトの食品に使用が認められている食品添加物

(2)日本で、家畜の餌に使用が認められている飼料添加物

(3)アメリカやEUで、ヒト、家畜、ペットの食品や餌に使用が認められている添加物

 その上で、前述のペットフード安全法では、亜硝酸ナトリウムなど5つの添加物について、規格や基準が設けられている。逆に言えば、5つ以外は法的には制限なく使ってもよいというワケだ。

 しかし、

「私は、そのうち合成着色料の入っているフードは避けるべきだと思います」

 と述べるのは、ノア動物病院院長で、『愛犬を長生きさせる食事』の著書がある、林文明氏である。

 合成着色料とは、赤色〇号、青色〇号、黄色〇号などと名付けられた添加物が主。名の通り、食品に赤や青、黄色などの色をつける役割を果たす。日本では食品添加物として12種類が認可され、たらこやたくあんなどに用いられている。あの鮮やかな赤や黄色は、添加物の力なのである。ペットフードの多くにも使用されているが、

「そうした着色料の中には、海外で有害と認定されているものがあります。しかも、着色料は、視覚の関係で、人間とは異なり、動物が食べる時には何のメリットもない。それを買う飼い主を満足させるだけなのです」(同)

 指摘の通り、人間が赤、緑、青の三原色で世界を見ているのに対し、犬や猫は、赤を除いた、緑と青の2色と、色覚は落ちる。そもそも、犬猫は視覚よりもずっと優れた嗅覚を持つため、ペットフードを色鮮やかにしたところで、ほとんど食欲増進に寄与しない。

『犬にいいものわるいもの』の著者で、ウスキ動物病院院長の臼杵新氏も言う。

「犬や猫は、色を認識する能力は極めて低く、着色料を添加する意味はありません。そうであるのに、ペットフードに危険性のある着色料を添加するのは、飼い主を満足させるだけの欺瞞に過ぎません。知識不足の飼い主の足元を見たメーカーが、そうした商品を生産するんです」

“ヒト用”には使用禁止の着色料

 前掲の表は、その合成着色料のうち、赤色2号、赤色102号、赤色106号のいずれかを使用しているペットフードである。この3つは、その毒性から、アメリカではヒトへの食品添加物として認可されていない。

 例えば、赤色2号は大要、

〈妊娠ラットに本品を0〜19日にわたって経口投与したところ、30mg/kg以上の群では有意な胎仔死亡の増加が認められた〉(『食品添加物ハンドブック』[光生館]より)

 赤色106号も、同様、

〈ラットに20カ月与えたが、1%含有飼料群のメスで軽度の成長抑制が見られた。また1%群で甲状腺重量の低下傾向が認められた〉(同)

 との研究データがある。

 ちなみに「胎仔死亡」の赤色2号はペットフードでも使用が少なく、「日本ペットフード」と「ネスレ日本」の一部の商品に見られるのみだった。

「これらの合成着色料は、石油が原料で、タール系色素と呼ばれてきました」

 と解説するのは、食品評論家の小薮浩二郎氏。小薮氏はかつて食品メーカーに勤務し、添加物の製造に携わった経験を持つ。

「共通するのは、どれも不純物が15%程度混じっているということ。この不純物に関する研究はほとんどされていない状態なのに、食べ物の中に混ぜてもOKということになっているんです。シンプルに、“わからないのに口に入れて大丈夫なのか?”という疑問が生まれるのは、当たり前でしょう。発がん性が指摘されているものすらあるくらいの、要注意商品です」

 それゆえか、タール系着色料の歴史は、使用禁止の歴史。日本ではこれまで実に14もの種類が使用禁止となってきた。

 現在、認可されている12種についても、例えば、セブン‐イレブン、ローソン、ファミリーマートの三大コンビニチェーンは、ヒトの食品の一部で不使用としているし、複数の生協でも同様だ。大手ペットフードメーカーの中にだって、使用禁止を謳う社もある。

 少しでもリスクが疑われ、しかも、それが犬猫にとって必要性を帯びない添加物である場合、果たしてそれを含む商品は大切な「わが子」に食べさせるべきものなのだろうか。問われるのは、飼い主の“判断”である。

(2)へつづく

「週刊新潮」2018年8月9日号 掲載