やっぱり、相当ヒドイ制度だということだ。日本が導入を検討しているサマータイム制度を、EUは廃止することになりそうだ。EUのユンケル欧州委員長が31日、廃止の意向を表明した。

 EUは現在、3月の最終日曜日に時計を1時間進め、10月の最終日曜日に元に戻す制度を加盟28カ国に義務づけている。しかし、健康を害するため、加盟各国から廃止を訴える動きが拡大。フィンランドが廃止を提案していた。

 欧州委がEU市民にアンケートをした結果、460万件の意見のうち、84%が「廃止支持」だった。よほど、サマータイムにウンザリしていたということだ。ユンケル委員長は「何百万人もの市民が、もう時間を変更したくないと言っている。欧州委は彼らの言う通りにする」と表明した。

 欧州市民がサマータイムに「ノー」の意思表示をしたのも当然だ。利点はまったくないからだ。心身の健康をむしばみ、事故が増えることが分かっている。

 なのに、安倍政権は、2020年東京五輪のために「2年間限定」で、日本にも導入しようとしているのだからどうかしている。

 韓国でも1988年の「ソウル五輪」の時、サマータイム制度が導入されたが、評判が悪く、やはり2年で廃止となっている。

 日本でも、戦後、GHQの命令で1948年から導入されたが、51年にサンフランシスコ講和条約が締結されると同時に打ち切られた。主権が回復した途端、廃止したのは、よほど嫌われていたということだ。

 当時、サマータイムを体験した筑波大名誉教授の小林弥六氏(経済学)がこう言う。

「評判はよくなかったですね。1時間、早く出社しても日本のサラリーマンは、早く帰宅できませんからね。夕方時間が余っても、余暇を楽しむ文化もなかった。東京五輪のために導入するとしていますが、わずか1カ月間のために2年間もサマータイム制度を実施するのは、合理的じゃありませんよ」

 暑さ対策ならば、サマータイムの導入よりも、オリンピックの開催時期を7月から10月にずらすことを考えた方がいいのではないか。