普段全く馴染みのない土地でビジネスをしようとしても、まずはその地域の特色を知らないとなかなか難しいもの。とはいっても、その地域の特色を知ることは空気感を掴むことでもあるので、簡単なことではありません。今回の無料メルマガ『毎日3分読書革命!土井英司のビジネスブックマラソン』で紹介されているのは、『地元の力を生かす「ご当地企業」』なる書籍。メルマガ著者の土井英司さんも「手軽で重宝する情報源」と太鼓判を押す良書です。

地元の力を生かす「ご当地企業」

『地元の力を生かす「ご当地企業」』

帝国データバンク、中村宏之・著 中央公論新社

こんにちは、土井英司です。

本日ご紹介する一冊は、帝国データバンクのデータを元に、読売新聞の記者が、47都道府県の経済状況と現地の有力企業を紹介した新書。

正直、「ご当地企業」情報を目当てに読むと、情報が少なすぎて拍子抜けしますが(「ビッグデータで読み解く」も、何がビッグデータかよくわからない)、よく知らない都道府県の主要産業、代表企業を知るという意味では、役に立ちます。

紹介されているデータは、人口(全国順位)、面積(全国順位)、主要産業、産品、代表企業、最近注目の企業など。帝国データバンクが情報提供しているためか、「社長の若さ」「事業承継確率」「経営人材の流動性」「従業員還元度」「企業の若さ」「県内の企業格差」「増収企業の割合」「経営効率性」「自給自足率」「県外への営業力」などの指標もレーダーチャートで示されており、中小企業の経営状況がよくわかる内容です。

各都道府県に存在している経済団体の情報などもあり、出張の多いビジネスパーソンや交友の幅が広い経営者にとっては、手軽で重宝する情報源だと思います。

さっそく、いくつかポイントを見て行きましょう。

北海道

 

観光客数は、北海道新幹線が開業した2016年度には823万9,000人と初めて800万人を突破。外国人来道者数も同年度に230万人と2年連続で200万人を突破するなど、着実に増加している

 

コンビニエンスストア「セイコーマート」をグループで展開するセコマ(札幌市)は、コンビニエンスストア部門の顧客満足度でセブン-イレブン・ジャパンをおさえて2年連続の全国1位(サービス産業生産性協議会調べ)

青森県

 

外食への支出は47都道府県の中で一番低い。また企業が本社を置く都道府県別では女性社長比率が10.6%と日本で最も高い。

宮城県

 

人口構成などの観点から新商品のテストマーケティングの地に選ばれることが多く、電子たばこ「glo(グロー)」は全国に先駆けて仙台市で発売された。

栃木県

 

寿司ネタや煮物などに使われるカンピョウは、決して主役にはならない脇役の存在だが、国内生産高の98%が栃木で生産されている。

新潟県

 

冬はとても厳しい地域ゆえに、石油ストーブの出荷額が全国トップである。代表的メーカーがコロナ(三条市)とダイニチ工業(新潟市)の2社でいずれも上場企業である。

福井県

 

福井県の眼鏡産業は、現在日本製の眼鏡枠生産の95%以上のシェアを誇るまでに成長。典型的な産業型集積となった。鯖江市の眼鏡産業をみると、製造卸を手がけるシャルマンがトップ。中国に工場を構えていることもあり、他の追随を許さない。眼鏡メーカーでは浜本テクニカル、エクセル眼鏡などが有力企業。

山梨県

 

2027年にはリニア中央新幹線が開通予定で、品川駅と新甲府駅が20分足らずでアクセス可能となるため、ニュービジネスが誕生する可能性がある。

香川県

 

日本で最初に油圧式クレーンを開発し、建設用クレーンでは国内トップシェアを誇り、海外にも積極的に製品を輸出しているタダノ(高松市)がある。

佐賀県

 

1923年以降の約90年間で震度1以上の地震発生回数が全国一少ない。

各都道府県の自然環境や住心地、これからのビジネスチャンスにも触れられており、新拠点、移住先を探している人にとっても、貴重な情報源になると思いました。本書を片手に、いろんな都道府県の方と話せば、きっと話が弾むと思います。

ぜひチェックしてみてください。

image by: Shutterstock.com

MAG2 NEWS