世代も立場も違う女性たちが、ふたりの男の法廷闘争を見つめる (C)2017 TESSALIT PRODUCTIONS - ROUGE
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 第90回アカデミー賞でレバノン映画として初めて外国語映画賞にノミネートされた「判決、ふたつの希望」(公開中)から、劇中に登場する女性キャラクターにスポットをあてた本編映像が公開された。ふたりの男が、ささいな口論から巻き起こす法廷での激しい争い。それに寄り添う女性たちの“聡明さ”が際立つ内容だ。

 キリスト教徒であるレバノン人男性・トニーとパレスチナ難民の男性・ヤーセルとの口論が裁判沙汰となり、やがて、メディアや大統領をも巻き込む全国的な騒動へと発展していくヒューマンドラマ。クエンティン・タランティーノ監督作品でアシスタントカメラマンなどを務め、これが長編4作目となるレバノン出身のジアド・ドゥエイリ監督が、自身の体験談に基づきメガホンをとった。

 公開された本編映像に登場するのは、トニーの妻で妊娠中のシリーン、ヤーセルの妻・マナール、そしてヤーセルの弁護を務める弁護士のナディーンという3人の女性。ドゥエイリ監督は「この映画では、緊迫した事態を収束させるために、中心となって動くのは女性たちなんです」と語っており、その言葉通り、シリーンは大きなお腹を抱えながら、夫をいさめようと口論となり、「あなたは変化を嫌う頑固者よ」と鋭いひと言で一喝する。

 一方、マナールは、若いシリーンとは対照的に、強いまなざしと包容力で「争いごとは収めて」と長年連れ添う夫を諭す。また、ヤーセルの弁護を買って出るナディーンは、冷静に現状を説明し、夫婦を説得。「なぜこの裁判を?」と問いかけるヤーセルに対し、「難民の権利を守るため」と静かな情熱を垣間見せるが、物語の中盤では、ナディーンにまつわる驚きの真実も明らかになる。

 「女性は男性とは全く違うアプローチをするし、より敏感にニュアンスを感じ取ります。そうした聡明な女性たちのおかげで、バランスが取れるんです」と本作での女性たちの役割を語るドゥエイリ監督は、「アラブ地域のリーダーが女性になったらどうなるでしょうね」と提起している。