シニアがスマホ操作でつまずくのはココ!親・祖父母に教えるときのポイント4つ

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シニアは、携帯電話をスマートフォンに変えたときに、まともに使えるようになるまでずいぶんと苦労するようです。

親よりも子供に響く祖父母の声!敬遠する前に見習いたい「じいじばあばの子育て」とは

ネオマーケティングが2018年7月に実施した「シニア世代とミドル世代のコミュニケーションに関する調査」では、60歳〜75歳のシニア世代は、スマートフォンの使用方法を習得するうえで困ったことや感じたことに対して、「一人で習得することに限界があった」が最多となり36.0%という結果に。

全体として、83.2%のシニア世代がスマートフォン使用方法を習得するうえで困った経験があると回答しています。

特に女性は「娘(義娘)や息子(義息)が忙しく、聞くのは気が引けた」という回答が男性より多い結果となっていたそう。特におばあちゃんに対しては、聞きやすい環境づくりやこちらからの働きかけも必要になりそうです。

そこで今回は、シニアの方へスマートフォン操作などを教えるプロの方に「シニアが苦手な操作」や教えるポイントについて教えていただきました! ぜひポイントを押さえて、祖父母にスマホ操作をうまく教えてあげましょう。

シニアが苦手なスマホ操作にまつわること4選

今回アドバイスをいただいたのは、「スマホの学校」というスマホ操作などを教える活動をしているNPO法人ブレインファームの代表 天田亮介さん。シニアの方がよくつまずくこと、苦手とすることをピックアップしていただきました。

1.「タップ」が苦手!

天田亮介さん(以下、天田)「シニアは『タップ』に違和感を覚えます。しっかり押そうとするあまり反応しなかったり、長押しになってしまったりします。『銀行のATMと同じです』などと言って、“軽いタッチでOK”と最初にコツを教えてあげましょう」

2.最初は“ただの箱”同然であることを分かっていない

天田「多くのシニアが、スマホに説明書やマニュアルが付いていないことに驚きます。スマホはガラケーのように、説明書にすべての操作を網羅できるものではありません。

ご存知の通り、スマホは買ったときにはただの箱同然であり、主にネットを通じてアプリをダウンロード、インストールすることで、自分に必要な機能をプラスしていくもの。この仕組みを知らないと混乱されてしまうので、初めに説明すると良いでしょう」

3.聞きなれない言葉の連発で混乱!

天田「アプリやアイコン、インストールなど、スマホネイティブ世代には当たり前の言葉も、シニアには何のことか分かりません。

アプリを『機能』、アイコンを『マーク』、『アプリをインストールする』を『アプリを取ってくる』など、相手のレベルに合わせて、なじみのある言葉に置き換えて話すと良いでしょう」

4.IDとパスワードが多すぎる!

天田「スマホを使っていると、あらゆる場面でIDとパスワードを求められます。場面によって、メールアドレスがIDとなるものとそうでないもの、英語大文字を必ず入れないといけないもの、文字数の制限などさまざまです。

セキュリティ面を考えればよくないことではありますが、当初はパスワードを何パターンか決めたり、紙に書いて、財布の中など絶対に無くさないような場所にしまったりするのが良いと思います」

祖父母にスマホ操作を教えるときの4つのポイント!

シニアは一般的に当たり前と思われていることも、疑問に思ってしまうもの。そこで自分の祖父母にいざスマホ操作を教えるときが来たときのポイントを天田さんに教えていただきました。

1.自分の手で操作をさせる

天田「シニアはまじめな方が多く、教えてもらったことを一生懸命メモに取ります。しかしスマホ操作は実際にいじってみるほうが覚えやすいことは言うまでもありません。慣れないと何をやるにも時間がかかりますが、そこはじっと我慢。こちらは手を出さずに自分の手で操作をしてもらいましょう。そうすると早く次のステップに進めます。

また過度にメモに頼ると、アップデートでUI(User Interface=見た目)が変わったときなどに何もできなくなってしまうのでメモに頼らせないように促しましょう」

2.やり方は一つではないことを伝える

天田「スマホは、やり方が一つではないのも特徴です。例えば、写真をメールで送るとき、まずアルバムにアクセスして写真を選びメールアプリに遷移する方法もあれば、まずメールアプリを開いて文章を作成してから写真を添付する方法もあります。

どちらが正解というわけではないので、複数のやり方があることを伝えます。ただ、はじめは一番簡単な方法を覚えてもらうといいです」

3.使い終わったらスリープ状態に

天田「誤操作防止のために、使い終わったらスリープ状態にするよう教えてあげましょう。

スリープ状態にしないでポケットやカバンにしまったために、意図せず電話をかけてしまったり、アイコンの位置を変えてしまったりということがあります。中には『遠隔操作されたのでは?』と心配する人もいるくらいです。

またしばらく操作しないと勝手にスリープ状態になるように設定するのが一般的ですが、使い慣れておらず操作に時間がかかるシニアだからこそ、その旨も伝えておくこと。故障したと思われる可能性もあります」

4.ただHPを見ただけではお金をだまし取られないことを伝える

天田「どんなに操作を教えても、自分でやりたいこと、知りたいことのためにスマホをいじってもらわないと覚えられません。

『自分で知りたいことを自由に調べてみてください』と伝えると、『検索して変なホームページを見てしまったら、お金をだまし取られてしまうのでは?』という心配をされる方が大変多いです。仮に有料サイトであっても、普通は何かしらの手続きをしなければ課金されるということはありません。

もしものときのために、消費生活センターなどのことを教えるのも良いですが、普通に検索してホームページを見るだけなら大丈夫だと伝えることで、安心してスマホを使ってもらえると思います」

シニアに優しいサービスの利用の検討も

もし祖父母にスマホ操作についてしっかり教えられない、なかなか時間がないという場合は、モバイル各社のシニアサポートを利用するのも一つの方法。各社、実に充実したシニアに優しいサービスを展開しているのです。

「押すだけサポート 」/ワイモバイル

「60歳以上ずーっと国内通話無料キャンペーン」などシニアに優しいサービスが充実しているワイモバイル。2018年8月にはシニアでも簡単に扱える「かんたんスマホ」をリリースしています。

スマホトラブルに対して、ボタンを押すだけで自動で症状を診断し、解決する「押すだけサポート」のほか、直接オペレーターに電話して手取り足取り教えてもらえるサポートも。祖父母にはこうしたスマホを選んであげるのもよさそうです。

「ドコモスマホ教室 」/NTTドコモ

NTTドコモは、基本の操作方法から便利な使い方までさまざまな講座が受けられる「ドコモスマホ教室」を全国のドコモショップで展開しています。参加は無料で2〜4名から開催してくれるので、祖父母と一緒に受講してみるのもよさそうですね。

「訪問サポート 」/mineo

格安スマホのmineoは、「使い始めに必要な設定を代わりにして欲しい」「スマホやタブレットの使い方も教えて欲しい」など、インターネットや電話でのサポートでは不安な方向けに、自宅に訪問してサポートしてくれる「訪問サポート」を展開しています。

確かにインターネットや電話だけでは状況をうまく説明できなかったり、操作があっているのか分からなかったりすることも。その点、訪問してくれるというのは嬉しいですね。

また、スマホの学校のようにシニアに優しいスマホ教室を見つけてあげるのも一つの方法です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。祖父母がスマホを持ちたがっている、使い始めたけれど使いこなせていない、よく質問されるけれど答えられないという方は、ぜひ今回のポイントを押さえて、優しく教えてあげてくださいね。

【取材協力】スマホの学校
現在、前橋校、東京銀座校、山梨校でスマートフォンの使い方講座を開講している。スマホやタブレット端末の基本的な使用方法や、意外と知られていない裏技など、スマホやタブレット端末を使いこなすための知識が満載の講座。シニアも気軽に参加できる。NPO法人ブレインファーム運営。