前代未聞の珍事を起こしたカーティス・ハーパー【写真:Getty Images】

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米ヘビー級戦で開始直後に選手退場、米メディア「これまで見た中で最も奇妙な失格」

 米国のボクシングで試合開始のゴング直後に選手がリングを降り、失格になる珍事が発生。前代未聞となった“衝撃の失格劇”の瞬間が動画付きで公開されると、米メディアも「これまで見た中で最も奇妙な失格」と報じ、実況席は「わ、わ、私は混乱しています」と唖然としている。

 会場にいた誰もが目が点となった。前代未聞の珍事が起きた舞台は米ミネアポリス。スポーツ専門局「FOXスポーツ」のイベントとして「プレミア・ボクシング・チャンピオンズ」の前座として組まれたカーティス・ハーパーとエフェ・アジャグバの6ラウンド戦だった。

 引き締まった表情で向かい合う2人。決戦を前に火花が散る。いったい、どんな戦いとなるのか。ボルテージが高まり、試合開始のゴングが鳴った瞬間だった。ハーパーはいきなりロープをくぐるとリング外へ。すると、階段を降りて花道に歩みを進めたのだ。騒然とする場内。獲物を失い、取り残されたアジャグバも何が起こったのか分からない表情で立ち尽くしていた。

 しかし、ファンからのブーイングもお構いなしに花道を平然とゆっくり歩き、ハーパーは姿を消していった。顔を潰された形のFOXスポーツは公式ツイッターに動画付きで公開。「これは新しい…」とつづり、驚きをもって伝えている。

 映像では、冷静に試合開始を伝えようとしていた実況も「信じられません」「彼はリングを降りました、彼はリングを降りました」「私は信じられません」と慌てふためき、解説も「これは見たことがない」「これは人生で一度も見たことがない」「わ、わ、私は混乱しています」と唖然とし、動揺を隠しきれなかった。

「最も奇妙な失格でファン困惑、解説者は途方に…」、まさかの行動の理由とは?

 いったい、ハーパーはなぜ、こんな行動を取ったのか。米紙「USAトゥデー」は「ヘビー級ボクサーのカーティス・ハーパーが試合開始ゴング直後にリングを降りて奇妙な失格」と見出しを打って特集している。

 記事では「試合開始ゴング直後にリングから退場し、これまで見た中で最も奇妙な失格によりファンは困惑、解説者は途方に暮れた」とした上で「ファンはすぐにハーパーにブーイングを浴びせ、アジャグバはリングに立ち尽くし、FOXスポーツのアナウンサーは状況の理解に努めていた」と混乱した状況を伝えている。

 記事によると、「プレミア・ボクシング・チャンピオンズとFOXスポーツの司会者ジョーダン・ハーディ氏はハーパーの離脱は賃金闘争だとレポートした。ハーパーはハーディ氏に対し試合するに十分な支払いを受けてないように感じ、“声明を発表したい”と伝えたという」としている。

 FOXスポーツも「ボクサーのカーティス・ハーパーが自身の試合開始直後に賃金闘争のためリングを後にした」とツイートしており、自身に支払われる金銭に不満があったようだ。とはいえ、試合開始のゴングとともに自らリングを降りるのは前代未聞。一躍、波紋が広がってしまっている。(THE ANSWER編集部)