海外でも現地SIMや設定なしで使える! クラウドSIMスマホってどんな仕組みなの?

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MAYA SYSTEMは、8月28日発売予定となる海外渡航時に現地の通信会社に自動接続可能なクラウドSIM技術を搭載したスマートフォン「jetfon」を発表した。
価格は39,800円(税抜)である。

Jetfon本体は、SIMフリースマートフォンで、
・ディスプレイは、5.5インチFHD(1080×1920ドット)搭載
・チップセットは、ミドルレンジのQualcomm「Snapdragon 652」搭載
・メモリーは、4GB RAM、64GB 内蔵ストレージを搭載
国内外でも利用できるよう対応周波数帯や様々な通信方式に対応する。
nanoSIMカードを2枚利用したDSDS(デュアルSIMデュアルスタンバイ)も利用可能である。
なお、クラウドSIMは1スロット使用する。




スマートフォンとしては、大画面で文字が見やすくブラウザやSNSが使いやすい普段使いに丁度良い製品だ。

このjetfonには、SIMカードを使った通信事業者のサービスのほかに、冒頭で記述したクラウドSIMサービスが利用できる。

一般的に大手キャリアやMVNO事業者が提供するSIMの場合、
アクセスポイントの設定を行う必要がある。渡航先でSIMを調達した場合こうした設定が必要となる。

しかし、クラウドSIMの場合はこのような設定が不要で、
渡航先の最適な通信事業者に接続することができる。




こうしたことができる仕組みだが、
契約情報をクラウド経由でSIMに書き込むことで、渡航先の通信事業者で契約したSIMのような振る舞いをすると言うものである。




このクラウドSIMの技術は、レンタルで利用できる同社のWi-Fiルーター「jetfi」で既にサービスがスタートしている。
アジア各国での利用や、サービスに対応する国で利用できるグローバルプランが用意されており、ワールドワイドに使えるWi-Fiルーターとして急成長しているのだという。

例えば、前述したグローバルプランの場合、
ハワイからアメリカ、フランスと渡航しても現地で最適な通信事業者の通信網が利用可能となる。

このクラウドSIMのWi-Fiルーターは、
・国を意識することなく、自動で接続できるため手間がかからない
その反面
・荷物が一つ増える
・別途充電が必要となる
・レンタルの手続きや返却が必要となる
などの手間もかかっていた。

そこで、クラウドSIMをスマートフォンに持たせ、その手間を省けるようにしたものがjetfonなのである。
新たにjetfonを購入するというコストがかかるものの、Wi-Fiルーターなしで海外でもスマートフォンが利用できるようになるのでそのメリットは大きい。

ここで注意が必要なのは、クラウドSIMはデータ通信のみで音声通話には対応していない点だ。

海外での音声通話は、通信事業者のローミングを利用するか、IP電話サービス、音声トークなどのサービスを用意しておく必要がある。




クラウドSIMの通信プランは、300MB/1日プラン(最大24時間)が380円から、1GB/7日プランが980円から、3GB/30日プランが1,880円から用意されている。
料金はエリアによって異なり、300MB/1日のプランではアジアが380円から、ヨーロッパ/北アメリカ/南アメリカ/オセアニアが580円から、アフリカが680円からとなる。
1GB/7日プランと3GB/30日プランには、ヨーロッパを周遊できるプランがそれぞれ1,880円、3,980円で用意されている。

なお、渡航先ですぐにデータ通信を利用するためには、自宅など通信ができる場所であらかじめ上記の通信プランを購入しておくが必要がある。
もし通信プランを購入せずに渡航先に着いた場合は、無料のWi-Fiスポットなどから通信プランを購入しなければならないのでそこだけでは注意したい。




jetfonの39,800円という価格は、海外旅行のためだけに購入するには躊躇してしまう価格設定だ。このため法人利用が主なターゲットとなりそうではある。
しかし国内利用においては、NTTドコモドコモ、au、ソフトバンクの回線が利用でき、さらにNTTドコモとソフトバンクではVoLTEも利用可能であるなど、回線を柔軟に使えるSIMフリースマートフォンとして価値がある。海外によく行くユーザーは一度検討してみてはどうだろうか。


執筆  mi2_303