高さ18メートルの橋で待機していた少女だが…(画像は『ABC News 2018年8月15日付「Prosecutors mulling charges against woman who pushed friend off bridge」』のスクリーンショット)

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橋の上に立った少女が友人に押され、叫びながら18メートル下に流れる川に落ちていく…そんな様子を捉えたビデオがSNSで拡散している。

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米ワシントン州にあるモールトン・フォールズ・リージョナル・パークで今月7日、ビルの5階に相当する18メートルの橋の上からジョーダン・ホルガーソンさん(16歳)が川に突き落とされた。ジョーダンさんは友人が橋の上からジャンプするのを見て、自分も挑戦しようと橋の手すりを乗り越え、水着姿で立っていたところだった。

一部始終が収められたビデオでは、ジョーダンさんがまだ準備できていないにもかかわらず、後ろに立っていた少女に背中を押されているのが見てとれる。背後でカウントダウンする声が聞こえていたが、不意を突かれたジョーダンさんは叫び声をあげ、手足をばたつかせながら真下に落ちてしまったのだ。

『USA TODAY』によると、ジョーダンさんは水面に激しくお腹を叩きつけて肋骨を6本骨折したほか、肺に2つの穴が開き、気管や食道にまで損傷を負った。

ジョーダンさんは後に、当時のことをこのように語っている。

「押された後、身体を真っすぐにして頭から水に入ろうとしましたができませんでした。でも水面に身体を打ち付けた時は、何の痛みを感じませんでした。ちょうど非番の救急救命士がそばにいて、私を近くの岩まで連れて行ってくれました。そしてたくさんの人が集まってきて私を落ち着けようとしてくれたのがわかりました。死んでもおかしくない状態だったのです。」

外傷外科医のメアリークレア・サーフさんは「人間の身長の3倍を超える高さから落下すると、死亡する確率は50%にもなります。ジョーダンさんの場合はそれをはるかに超える18メートルの高さから落ちたわけですから、コンクリートに叩きつけられたと同じ衝撃があったはずです」と述べている。

同州クラーク郡保安局は今月14日、ジョーダンさんを押したのは18歳のテイラー・スミスであること、今後は起訴の可能性もあることを公表した。事故後、テイラーは嫌がらせや脅迫行為を受け、マスコミの取材から逃れるように姿を消し沈黙を保っていたが、警察の調べには素直に応じていたようだ。また18日の朝には、米ABCのTV番組『Good Morning America』に出演し「彼女を傷つけるつもりなどありませんでした。彼女が大好きです。早い回復を祈っています」と謝罪の言葉を述べた。番組内でテイラーは、病院に見舞いに行ったものの病室に入ることを拒否されたと明かした。

ジョーダンさんのもとにはテイラーから何度か謝罪のメールが届いているというが、ジョーダンさんの母親は「18歳ならあの高さから人を押したらどうなるかわかったはず。娘は殺されていたかもしれないんですよ」と憤りを隠せない。現在自宅療養中のジョーダンさんは、未だに呼吸をするのが辛く、医師は「完全な回復には数か月かかるだろう」と話している。

これらを受けてクラーク郡検察局は18日、テイラーを無謀な危険行為によりジョーダンさんを死の危険に晒したとして起訴を決定した。

『ABC News』のTwitterには「押した奴は刑務所に行くべき」「友達との悪ふざけで起きたことでしょう。刑務所っていうのは行き過ぎじゃないの?」「押された時に少女の頭がいったん後ろに反り返ってるから、かなり強く押してるよ。これは犯罪だ」「こんなことが起こったら、友達の関係は消滅だろうね」「助かってよかったよ」「気の毒だけど、橋の手すりを乗り越えた時点で違法行為だよ」といったコメントが寄せられている。

テイラーが刑に服すべきか、意見はふたつに分かれているようであるが、世の中には不運としか言いようがない事故も多い。今年1月にはウクライナで、1歳9か月の男児がアパートの8階から飛び降り自殺をした男性に直撃され死亡した。新年を祝うために祖父母の住むアパートを訪ねていた時の出来事だった。

画像は『ABC News 2018年8月15日付「Prosecutors mulling charges against woman who pushed friend off bridge」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)