「カド」の座敷スペース。1949年(昭和24年)に建てられた家を生かした空間づくり

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フレンチ、中国料理、和食…と多種多様なグルメの集まる神楽坂。大正時代には花街として栄えた歴史もあり、古い日本家屋もいたるところに点在する。そんな日本家屋の座敷で、滋味深い和食を楽しめるのが「カド」だ。

【写真を見る】座敷で出される季節のコース(3000円、内容は季節によって変わる)

戦後間もない頃に建てられた建物は実にノスタルジック。「カド」では座敷で楽しむ膳料理、気軽に飲める立ち飲みと2つのスタイルで営業しているが、そのいずれでも懐かしさを感じる食事が楽しめる。

座敷では基本コース料理を提供。一品ずつ出される料理は季節によって内容は変わるが、どれもが滋味深い。

■ 料理長に聞きました。料理のこだわりってなんですか?

「カド」の料理長、竹村昇平さんに料理で気をつけていることをうかがった。

「変なこだわりを持たないようにしています。産地や銘柄にこだわった食材を選ぶとお料理の値段も上がってしまうので、シンプルにその時季に旬を迎えたよい食材を仕入れて調理しています」と竹村さん。確かに「カド」では座敷のコースは3000円から、立ち飲みのつまみは全て一品300円。高級料理店が多いイメージのある神楽坂にあってかなりお財布に優しい価格設定だ。

料理づくりにおいてもう一点大事にしていることとして、「座敷は膳に一品ずつ料理を出すことから、割烹と紹介されることもありますが、居酒屋という意識でやっています。立ち飲みでは珍味の“へしこ”もありますが、料理を作るにあたって、甘さやしょっぱさを押し出しすぎないよう、食材の良さが引き立つ薄味を意識して作っています」とのコメントも。

シンプルな味付けの料理は素直に体に入っていく。ノスタルジックな空間で、気軽な一人飲みや、味わい深い料理に舌鼓を打つひとときを堪能しよう。(東京ウォーカー・東京ウォーカー編集部)