by Artem Bali

10人に1人が「ソーシャルメディアに写真をアップするために衣服を購入し、撮影後は返品していること」を認めていると、クレジット会社のBarclaycardが発表した調査で判明しました。

Snap and Send Back

https://www.home.barclaycard/media-centre/press-releases/snap-and-send-back.html

Shoppers are buying clothes just for the Instagram pic, and then return them - Quartzy

https://qz.com/quartzy/1354651/shoppers-are-buying-clothes-just-for-the-instagram-pic-and-then-return-them/



イギリスで2002人を対象に実施された調査でわかったのは、「撮影して返品」という行動を取るのは35〜44歳の人で、女性よりも男性が多いということ。なお、調査から10代は省かれており、多くの人がInstagramの利用者だったとのこと。

オンラインショップで「購入前に試着」という制度が取り入れられるようになったことが、この傾向を加速させているとBarclaycardはみています。

Amazonで「アパレル商品を試着してから購入決定OK&返品は完全無料」というサービス「Prime Wardrobe」が正式にスタート - GIGAZINE



このような行動は、SNSによって「有名人だけなく一般人も自分の生活についてオンラインで発信するようになった」という状況が大きく関わっています。自分の生活を発信している以上、同じ衣服を着た写真が別々に投稿されることは受け入れがたいと考える人が多く、「#ootd(Outfit of The Day/今日の服装)というタグが流行していることもあり、「同じ服装」を避けるべく「撮影して即返品」という行動を取る人が続出しているようです。

Summer Goals...stay tanned & unbothered ladies ✔️ MICHELLE N A T A L I Aさん(@jadoremiamor)がシェアした投稿 - 2018年 8月月16日午後6時32分PDT


オンライン通販サイトのFashion Novaはこのような現象を逆手にとり、「インスタグラマーのための洋服」を扱っているといいます。「これらの服は、ソーシャルメディア用の服なので、一度か二度着て写真を撮ったら捨てられます」と 作家のAllison P Davis氏は語っています。

Fashion Nova | Fashion Online For Women | Affordable Women's Clothing

https://www.fashionnova.com/



また、服のレンタルを行う「Rent the Runway」も返品ポリシーを取り入れており、ソーシャルメディア用の衣服に焦点を当てているといわれています。

Rent the Runway - Rent Designer Dresses, Apparel & Accessories

https://www.renttherunway.com/



一方で近年は、毎日の洋服を「制服化」させることで、女性を「服を選択する煩わしさ」から解放させる動きがあり、また流行を追って安い服をたくさん買うのではなく、上質な服を少しだけ購入する「カプセル・ワードローブ」という概念も注目を集めています。

ファストファッションが環境に甚大な被害を及ぼすという指摘もされており、ミシェル・オバマ氏も「同じ服を二度着る」という行動を何度も取っているとのことです。

ファストファッションの台頭が将来的に甚大な環境被害を引き起こす可能性があると指摘される - GIGAZINE