東地区最下位チームを救うために孤軍奮闘したルーニー。得点を見届けた後、ホッとした様子でベンチにガッツポーズを送った。 (C) Getty Images

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 今シーズンからアメリカのMLS(メジャーリーグ・サッカー)のDCユナイテッドでプレーする、元イングランド代表FWのウェイン・ルーニー。8月12日(現地時間)、ホームでオーランド・シティと対戦し、3-2で勝利をおさめた。

 決勝点の起点となったのは、ルーニーのスーパープレーだった。

 2-2のままアディッショナルタイムに突入してから6分、DCユナイテッドがCKを得て、GKを含む全員が相手陣内に移動していた。しかしシュートはDFに跳ね返され、こぼれ球を拾ったオーランド・シティの選手は、無人のゴールに向かって走り出した。

 しかし、このピンチにルーニーが奮起。先を行く相手選手に全速力で追いつき、スライディングタックルでボールを奪い返した。

 これで終わりではない。さらに彼は、そのままドリブルで再び相手陣内に攻め込み、右サイドから左サイドへ山なりのロングクロスを供給。これにFWのルチアーノ・アコスタが頭で合わせ、ゴールネットを揺らした。

 ボールを奪い返し、ドリブルで持ち込み、アシストとなるクロスを上げる。この一連のプレーにかかった時間は、わずか11秒だったという。

 英紙『The Guardian』は、「ウェイン・ルーニーが96分間の試合において、”秒”でチームを救ってみせた。忘れられない勝利となっただろう」と報道。ドイツのタブロイド紙『Bild』は、「サッカーを退職する? 老いた人間がMLSにいる? とんでもない! フットボールのゴッドは健在だ!」と、元イングランド代表のスーパープレーを称賛している。

 また、FIFA(国際サッカー連盟)の公式ツイッターも、ユナイテッドが発表した動画を引用し、「なんて瞬間だろう。アディショナルタイムの最後の1分で起きたことだ」と、驚きを露わにした。

 ただ、当のルーニー本人は冷静そのもの。試合後、自身のツイッターで「素晴らしい勝利。ルチアーノ、ハットトリックおめでとう!」とシンプルな言葉を綴っていた。