ラファエル・ナダル・【写真:Getty Images】

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観客の奇声でチチパスがミス、相手の打ち直しを認める振る舞いが反響

 男子テニスのロジャーズ・カップは12日(日本時間13日)、男子シングルス決勝で世界ランク1位のラファエル・ナダル(スペイン)が6-2、7-6でステファノス・チチパス(ギリシャ)を下して優勝。観客の声援でサーブをミスしたチチパスの抗議に、自ら打ち直しを認める振る舞いが「何人がこの行動を取れる?」と大きな話題を呼んでいたが、海外メディアも反応。「寛大な態度で認めた」「気前の良さを見せた」と称賛している。

 ナダルのスポーツマンシップが反響を広げている。第2セットのチチパスのサービスの場面だった。

 チチパスが左手でボールを上げてモーションに入ると、客席から女性とみられる奇声が上がった。これにチチパスは集中をそがれた。サーブは大きく外れてしまう。思わずチチパスは苦笑い。そして、審判席に歩み寄り、打ち直しを求めて抗議した。いったい、どうなるのか。その時だ。

 事態を見守っていたナダルが動いた。右手で指さしながら「打ち直しを認めて」というジェスチャー。もちろん、フォルトのままの方が有利になるが、王者は公平性を期して、対戦相手の立場からも動いたのだ。これには会場のファンからも割れんばかりの大歓声が沸き起こっていた。

寛大な態度でチチパスのサービスをやり直すことを認めた」

 ATP公式中継サイトの「テニスTV」は「ナダルからチチパスに対しての素晴らしいスポーツマンシップ」と公式ツイッターにつづり、動画付きで公開。「何人の選手がこの行動を取れるのだろう?」「正真正銘のスポーツマンシップ」「これがラファを愛する理由だ」などと反響を呼んでいたが、海外メディアも反応した。

 カナダ紙「ザ・スター」は「ロジャースカップは最終的にラファの足元に転がり込んだ」と優勝を特集した記事の中で、チチパスが観客の声でサーブをミスしたと紹介。「その時、紳士であるナダルは審判の元に駆け寄り、寛大な態度でチチパスのサービスをやり直すことを認めた」とつづり、「気前の良さを見せた」と振る舞いを称賛していた。

 ただ圧倒して勝つだけでなく、スポーツ選手としてフェアな姿勢を崩さないナダル。テニスと同じくらい、その振る舞いに脚光を浴びていた。(THE ANSWER編集部)