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もくじ

どんなクルマ?
ー RFの改良ポイント
ー 幌仕様の改良ポイント

どんな感じ?
ー 公道試乗 ロードスターRF
ー 6AT 新シフト制御とRFの旨み
ー 幌仕様 僅かな改善で「余裕感」

「買い」か?
ー 本格スポーツカー ライバルは?

スペック
ー 改良型ロードスターRF/ロードスターのスペック

どんなクルマ?

RFの改良ポイント

RF(2ℓ車)を3000rpm辺りで加速させると、「ブォォォッ」っと低い排気音を響かせる。大排気量の高性能エンジンを彷彿させる音質だ。

この音はパンチングパイプが通る消音室を、キルト様に加工された長繊維グラスウールを内包する袋で満たした新型マフラーが生み出している。この音造りが示すように、妙に「体感」にこだわった改良がロードスターらしい。

MCで諸元表に現れた改良のハイライトはRFのパワースペック。最高出力は従来車に対して26psも増加。それだけでも注目に値するが、発生回転数が1000rpmも高まっている。しかも、0.5kg-m増の最大トルクの発生回転数は600rpm低下。豊かなトルクを低回転からレブリミット直前まで維持する特性なのだ。

この性能を実現するためにピストンやクランクシャフトの大幅な軽量化や低摺動抵抗化など、動的主要部を設計変更している。
 

幌仕様の改良ポイント

一方、標準系(幌仕様)の1.5ℓユニットは小改良に留まるが、ロードスターに搭載された時点で最新仕様。この改良で2ℓが追い付いたわけだ。

ちなみに両エンジンともにFF系に同系型が存在するが、横置/縦置の変更だけでなく、ほとんどの部品がロードスター専用に開発されている。

なお、ブッシュ類等も含めてシャシー関連の設計変更は施されていないが、ステアリング調節が従来のチルトに加えてテレスコピックが追加。調節代は30mmだが、シートリクライニングで1ノッチ分プラスαくらいドラポジの設定自由度が向上していた。
 

どんな感じ?

公道試乗 ロードスターRF

RFに搭載されるPE型のボア×ストロークは83.5mm×91.2mmのロングストローク設定。実用域でのトルクと燃費を前提にするエンジンなら当然の値だが、これを7500rpmの許容回転数まで使い切るスポーツカー用エンジンに仕立て直したところが見所。

実際に7000rpmを超えても大きなトルクダウンはなく、従来型プラス700rpmは加速の伸びやかさだけでなく、トルクバンドの広さと相まってシフトマネージメントの自由度を拡大した。もっとも、試乗車はAT仕様のためマニュアル変速モードでのお楽しみとなるが、MT仕様ならさらに新型エンジンの新たな魅力を味わえるだろう。

こう述べるとATとの相性が悪いように誤解されそうだが、RFのキャラにはATが似合っている。

高回転でのパワーを引き出しながら低回転域が一切犠牲になっていないのが新型エンジン。Dレンジ/ノーマルモードでの巡航回転数は2000rpm以下に抑えられ、実用車に比べればダウンシフトのタイミングは早めなものの、深踏みしなければ1段ダウンで大半を賄う。ふつうに走らせていれば4000rpm以上を使うこともない。
 

6AT 新シフト制御とRFの旨み

意外だったのは「スポーツモード」選択時のシフト制御。ダウンシフトタイミングが早まり、各速ひっぱり気味にアップシフトするが、常用回転域の上昇は1000rpm程度。強めの加速では5000rpmくらい回すものの、巡航に戻ればノーマルモード同様の回転数。雰囲気を高めるために無駄回しはない。

「スポーツモード」というより「パワーモード」と呼びたい制御である。そしてスポーティなドライビングを楽しみたければマニュアルシフトを選択すればいいだけの話。ドライブモード設定も演出ではなく、実践的なのである。

フットワークは標準系に比べると鼻先の動きも操舵感も重い。

ロードスターは「軽快感が命」と考えればRFのハンドリングはネガな方向にあるが、高速長距離ではこれが大きなアドバンテージになる。マツダ車全般からすれば、RFでも高速安定や外乱に対する耐性が低いものの苦手と言うほど悪くもない。

加えて言うなら、軽快感で標準系に劣るといっても基本特性は同じであり、RS以外の車種で比較するとオーバーアクション気味の挙動や反応が減った分だけ、ラインの維持とコントロールの精度が高まっている。高回転のキレが増したパワートレインと相まって、ファントゥドライブでも標準系と同等以上である。

トップ装着時の密閉性や遮音性にも優れているので、ライトウェイトスポーツカーにしては快適性も上々。屋根を閉じてしまうと心地よい排気音が大幅減なのが玉に瑕だが、スポーツとツーリングを巧みに両立させているのがRFの特徴。このMCではこの両面が進化したのだ。
 

幌仕様 僅かな改善で「余裕感」

標準系も最大トルクをアップしたが、ごくごく僅か。性能に影響するような値ではない。

しかし、実際に試乗すると力強くなったように感じられる。如何に軽量とはいえ1.5ℓのトルクでは余裕がなく、これまでは一般走行での加速でもダウンシフトの頻度が高かった。

ところが、新型はギア維持で済ませることが大幅増。踏み増しした時の初期加速のよさが、ダウンシフトを踏み止まらせる。巡航ギア維持率が高くなり、常用回転数も下がり、結果「余裕」を感じるわけだ。

回して楽しいは相変わらずで、全開加速でレブリミットまで引っ張るのもストレスがない。程よい性能や綺麗な高回転フィールが精神的圧迫なしの「FUN」を生み出している。

鼻先の動きに落ち着きを欠くハンドリングも初代(NA)型を思い出させるし、スポーツドライビングのトレーナーとしては悪くない。締まったドライブフィールを求めるなら専用サスのRSも用意され、優等生とは言い難いが、ライトウェイトスポーツカーの原器とも言えるモデルだ。
 

「買い」か?

本格スポーツカー ライバルは?

安全装備のグレードアップも図られ、サポカーSワイドに対応。ただし、クルコンは単純な定速走行装置で、車線維持支援機能は逸脱警報止まり。「スポーツカーにそんなものいるか!」も一理あるが、ツーリングクーペとしての魅力も備えたRFならACCやLKA等の先進運転支援が欲しくなる。

標準系が原点主義なら、RFは拡張型モデルであり、重質な味を加えて車格感が向上した走りが見所。今回のMCではエンジンを中心に「ファントゥドライブ」を向上させている。

ライトウェイト感覚では標準系に及ばないまでもスポーツ性能でも2ℓ級本格スポーツカーと呼ぶに相応な走りを得ている。嗜好的には異なるが、アバルト124スパイダーと横並びで考えてもいい。

もっとも、価格も相応であり、装備揃えで標準系の約60万円高。アバルト124スパイダー対比では約40万円安。スポーツ/ツーリング/プレミアムのカバーレンジも含めたコスパで比較すれば同等であり、ちょっと悔しくなるくらい上手く値付けがされている。

スポーツ&ツーリングを高水準でまとめ、クーペとしてもまとまりがいいプレミアムな趣も楽しめるのがRF。根っからのロードスターファンはともかくとして、生活を共にできる本格スポーツカーとしてはコスパも含めて高水準でまとまったモデルである。
 

改良型ロードスターRF/ロードスターのスペック

マツダ・ロードスターRF VS

■価格 374万2200円 
■全長×全幅×全高 3915×1735×1245mm 
■最高速度 - 
■0-100km/h加速 - 
■燃費(WLTCモード) 15.2km/ℓ 
■CO2排出量 153g/km 
■車両重量 1130kg 
■パワートレイン 直列4気筒1997cc 
■使用燃料 ガソリン 
■最高出力 184ps/7000rpm 
■最大トルク 20.9kg-m/4000rpm 
■ギアボックス 6速オートマティック 


マツダ・ロードスターSスペシャルパッケージ

■価格 281万3400円 
■全長×全幅×全高 3915×1735×1235mm 
■最高速度 - 
■0-100km/h加速 - 
■燃費(WLTCモード) 16.8km/ℓ 
■CO2排出量 138g/km 
■車両重量 1010kg 
■パワートレイン 直列4気筒1496cc 
■使用燃料 ガソリン 
■最高出力 132ps/7000rpm 
■最大トルク 15.5kg-m/4500rpm 
■ギアボックス 6速マニュアル 

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