約10分間足らずの出場のなかで、武藤はアグレッシブなプレーを披露した。 (C) Getty Images

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 現地8月11日、ニューカッスルの日本代表FW武藤嘉紀は、トッテナムとの開幕節で念願だったプレミアリーグ・デビューを飾った。

 この試合、ニューカッスルの先発メンバーに武藤の名前はなし。ラファエル・ベニテス監督は、最前線にFWホセル、その背後にセカンドトップとしてFWアジョセ・ペレスというスペイン人コンビを起用した。

 11分にホセルが同点ゴールを決めるなど、先発起用された2人は結果を残したが、それに引けを取らないインパクトを残したのは、後半にピッチに送り出されたサロモン・ロンドンと武藤の新戦力コンビだった。

 ベネズエラ代表FWロンドンは、自慢の巨躯を利したフィジカルの強さを要所で見せ、バー直撃の惜しいシュートも放った。約10分間の出場だった武藤もシュートこそなかったが、持ち前のスプリント力でアピールした。

 惜しくも試合には1-2と敗れたものの、新加入2人を含めたニューカッスルの攻撃陣に地元紙『The Sields Gazette』は、「ムトウやロンドンらベンチからの新戦力が輝き、ベニテスはストライカーのジレンマを抱えることになった。日本代表のストライカーは10分間の名演技で、活発なパフォーマンスを披露。彼は他とは違うスパークを提供できるということを強調した」と綴った。

 では、そんなベニテスは武藤をどう見たのか? 試合後の会見で「ムトウは我々が期待していたとおりにトライしてくれた」とポジティブな評価を与えたうえで、今後の課題についても語った。

「ムトウの働きぶりや努力、その他多くのことに満足しているが、まだ他のチームメイトとの共通理解が足りない。彼自身は一生懸命にトライしてくれているが、まだ改善が必要だ。周りも何をしたいかを感じ取れるようになれればベストだ。ただ、私はムトウがもっと良くなるだろうと思う。彼は我々に希望やスピード、モビリティーを与えてくれる。ストライカーたちにとって重要になる」

 武藤をプレミアリーグ開幕戦で起用したベニテスは、「ムトウ、ロンドン、ホセル、アジョセと、タイプの異なるストライカーがいることはチームにとっていいこと」とも口にしているだけに、日本代表FWの今後の活躍がますまず期待できそうだ。