50万円を超える「ThinkPad P52」と一般ノートPCとの違いとは? スマホ普及で変化した「使えるPC」時代とは

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マイクロソフトの低価格タブレットPC「Surface Go」が8月28日発売となる。
Surface Goをはじめとする小型軽量のモバイルノートPCやタブレットPCの登場で、モバイル利用を目的としたWindows PCも購入しやすい環境が整ったように思う。

Surface Goは価格的には低価格PCに比較してやや高い設定だが、iPadほどの大きさで購入後に「Office」もすぐ使えるWindows製品ということもあり、使い勝手がよさが魅力である。

現在、スマートフォンの普及によってPCを必要とする顧客が減少していることから、日本国内における個人向けPC市場は低迷している。特に、これまで新規ユーザーの入り口となっていた低価格PCは、その影響を大きく受けているも要因の一つだ。

そうした状況を打破するためには、
新規ユーザーの受け皿は“低価格で低性能モデル”
といったこれまでの戦略から、
ユーザーのニーズにあった“使えるPC”を提供する
という戦略への転換が求められているとてもいいだろう。

もともとノートPCは、ユーザーニーズによって差別化を具現化しやすい、
・低価格で高性能なモデル
・ゲーム向けに性能を強化したモデル
・薄型、軽量、エレガントなデザインに特化したモデル
など様々なターゲットニーズに狙いを定めた製品でアプローチしてきた。

その中でも一般ユーザーへのアピール力が高いのが、低価格モデルだ。
しかし、これまでの低価格PCは、コストを下げるためにCPUやRAM容量、ストレージなどをギリギリのところまで落とすのが定石となっており、それが満足度の点でのデメリットになってもいる。
例えば、
CPUにはインテルの「Atom」や「Celeron」など、部品コストが低く処理能力の低いものを搭載している。CPU性能が高ければ処理が早く終わるため、待ち時間が少なく快適な動作となるが、CPU性能を抑えるため、動作での快適さは失われてしまう。

RAM容量も、Windows 10を動かすには最低限の容量の2〜4GBに抑えられる。
ヘビーユーザーの多くは、webブラウザのタブを数十枚も開くという使い方をするが、RAM容量が少ないモデルでは、タブを増やすと動作が重くなってしまう。

ストレージは、32GBや64GBと容量が少なく、eMMCと呼ばれる速度が遅いタイプのストレージ搭載が多い。
速度の遅いストレージでは、
・アプリの起動が遅い
・Windowsの起動や終了が遅い
・データの読み・書きで、待ち時間が発生してしまう
といったデメリットも発生する。

実は、低価格PCは、たしかに価格は安い。しかし上記のようなデメリットもあるため、初心者や入門者向けとして、あまりオススメはできない。
実際に低価格PCを使いこなすには、
・低性能モデルの使い方を知っている、理解している
・サブPCとして使う
といった上級者向けのPCと言っても良いのかもしれない。

現在、PC初心者にとって使いやすいPCとは、低価格PCではない。
インテルの「Core i」シリーズのCPUを搭載した中級クラスのPCが適している。
このクラスのPCであれば、導入時のコストはかかるが、
・性能面で余裕があり長く使える
・機能や仕様に制限がない
・快適な動作で利用できる
といった高い満足度が得られるからだ。

低価格PCが低迷を続ける中、堅調なのが、ハイエンドPCおよびゲーミングPCである。
以前ほどの販売や出荷数ではないものの、しっかりと市場を獲得している。
特に、YouTube投稿や写真を趣味とするユーザーは、現在でもハイスペックなPCを求める傾向にある。
また、ゲーミング用途であれば、ハイスペックは必要不可欠となるため、20万円や30万円を超える価格のPCが求められている。

まさに高価格PCの領域は、いまに需要があるのだ。

しかし、さらに高価格なPCがある、それが法人向けのワークステーションだ。