労働新聞より

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「寅さんみたい...」「北朝鮮とは思えないほど平和な写真」――北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長の「クールビス」姿について、SNS上ではこんな声が多数挙がっている。

酷暑のためか、はたまたイメージ戦略の一環か。これまでの印象を変えるような装いを現地メディアに披露した。

白シャツ姿を披露

2018年8月8日付の朝鮮労働党の機関紙「労働新聞」は、金正恩氏と李雪主(リ・ソルチュ)夫人らが金山浦(クムサンポ)塩辛加工工場を視察したと報じた。日時は不明。

紙面には視察の様子を収めた写真が32枚掲載され、1面では金正恩氏の姿が大きく取りあげられた。

この日の装いは普段と打って変わり「夏」仕様だ。同行した党幹部は軍服を着用する中、金正恩氏はグレーのスラックスに半そでの白いシャツ、頭には麦わらふうの帽子をかぶるカジュアルな装いだった。現地に到着した際はグレーの上下揃いだったため、途中で上着を脱いだとみられる。

8月6日付の労働新聞を見ると、三泉(サムチョン)ナマズ工場を視察した際も同様の格好だった。それまでの視察では長袖の白シャツにグレーのスラックスが「定番」で、上着を脱いだ姿は確認できなかった。

朝鮮中央テレビによれば、7月末から8月にかけて国内の複数地域で最高気温が40度を超え、記録的な猛暑が続いているという。

年初にも服装が話題に

この「衣替え」は日本で話題となり、SNS上では「ただの優しいおじさんにしか見えないw」「好感度あがった」と好意的な声が少なくなかった。

金正恩氏の服装をめぐっては、2018年の「新年の辞」にグレーのスーツ姿で登壇した際も話題となった。17年に初めて人民服でなく紺のスーツで臨み、18年はより明るい色に身を包んだためだ。

AFP通信は韓国統一研究院の見方として、「平和のイメージを打ち出し、核保有国という地位の確立を受けて落ち着いた精神状態を反映させることを狙ったものと考えられる」と伝えていた。

今回の軽装は、庶民派な一面を見せることで「清廉潔白」さをアピールする狙いがあるのかもしれない。