アメフト問題では、各学部長から「学生を必ず守る」とメールが届いたが…

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日本大学の応援リーダー部(チアリーディング)の女性監督が女子部員にパワハラをしたと学内の人権救済委員会に認定されたと、毎日新聞が報じた。

日大では、この報道を受けて、「学生の指導に支障を来す」として、女性監督を解任したと発表した。また、日本チアリーディング協会は、J-CASTニュースの取材に対し、監督にも事情聴取して、協会としても「いじめがあったと認定した」と明らかにした。

7月になって謝罪も...部員体調崩す

アメフト部の悪質タックル問題で騒動になった日大で、また新たな運動部の疑惑が報じられた。

毎日新聞が2018年8月9日付朝刊社会面トップで報じたところによると、女性監督は2月5日、この女子部員に対し、大雪の日に学部の事務員から監督に電話をかけさせて練習をなくそうとしたと事実無根のことを部員全員の前で言って叱った。

また、女子部員が出身高校のジャージを履いていたことをとがめ、「学校の恥。今すぐ脱げ」と怒ったり、女子部員がケガから回復していないのに、「ずる賢いバカ」などと罵倒して大会に出場させようとしたという。女子部員は、ほかの部員にも責められて自殺も考えたといい、大学にも通えなくなった。

女子部員は、応援リーダー部が所属している保健体育審議会に仲裁を求めたが、アメフト部の内田正人前監督が事務局長だった審議会は、女子部員が女性監督と話すように促したという。

そこで、今度は3月に学内の人権救済委に相談したところ、救済委では、女性監督の行為はパワハラだと認定したと記事ではしている。女性監督は7月になって、雪の日のことは誤解していたなどとして、女子部員に謝罪した。しかし、女子部員はその場で退部を申し出たという。女子部員は、精神的に追い詰められて適応障害と診断され、女性監督と面会後に再び体調を崩したとしている。

日本チアリーディング協会「いじめがあったと認定」

毎日新聞の報道が出ると、ツイッターやネット掲示板では、「また日大?!」などと驚きの声が上がるとともに、「危機管理がなってないな」「体質だよねこれ」と厳しい意見が相次いだ。報道後に、大学のホームページから応援リーダー部の紹介文が削除されたことも、その理由を巡って憶測が広がった。

日大応援リーダー部が加盟している日本チアリーディング協会は8月9日、女子部員の母親から5月に女性監督からパワハラを受けたと訴えがあったことを事務局長が取材に明らかにした。

「5月下旬に監督を呼んで、事情聴取を行いました。これに対し、監督は、パワハラのつもりはなく、女子部員の思い違いの部分もあるとしたものの、事実関係については概ね認めました。協会としては、パワハラと言えるかどうかは別として、いじめがあったと認定しました。そこで、こちらがお詫びに行くように勧めると、監督は部長とともに謝罪したいと話しており、すでに謝罪したと認識しています。大学の処分を待って、必要があれば協会としても対応したい」

日大は、全日本学生チアリーディング選手権大会に毎年出場しており、過去10年で最高4位に入った有力チームだ。12月にこの選手権大会が開かれる予定だが、日大が出場するかは現段階では分からないという。

日大の企画広報部は、9日夕になって、女性監督のパワハラ報道についてマスコミ発表し、保健体育審議会が女性監督を同日付で解任したことを明らかにした。

理由については、「学生の指導に支障を来すことが懸念されると判断したため」だと説明した。今回のことについては、人権救済委員会が調査を進めており、近く結論を出す予定だとしている。