時限付きGmailが使えるぞ! 送信してもコピー・転送・印刷ができない、表示期限のあるメールを送信する方法

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送ったメールがコピーも転送も印刷もできず、1週間後に消えてなくなる。
こんな機能があったら「使いたい」と思う企業は多いだろう。

こうした期限付きの機能は、情報漏洩の対策として非常に有効な対策の1つになるからだ。

実は、Gmailを使っているなら、この機能は標準で利用できるのだ。
新しいGmailに用意された「情報保護モード」がそれだ。

今回は、情報保護モードの使い方を説明する。


●新しいGmailの「情報保護モード」とは?
Googleのメールサービス Gmailは、今年の4月に大幅な機能強化が行われた。
ただし、すべての機能が一度に追加されたわけではない。
新しい機能は、少しずつ時間を経て利用可能になっていった。

「情報保護モード」も、そうした遅れて追加された新機能の1つだ。
最近、筆者Gmailでもようやく利用可能になった。

そこで、どんな機能なのか、さっそく紹介しよう。

これは、コピーや貼り付け、印刷、添付ファイルのダウンロードなどができないメールを作成・送信する機能だ。また、送信者が指定した期限が過ぎるとメールそのものが読めなくなる。

たとえば、社外の協力者に個人情報の含まれたメールを送信する場合、メールが誤って転送されるのを防ぐことができる。また、メールの有効期限を1週間にして、必要以上に情報を見せないようにもできる。

もちろん、悪意のある受信者が意図的に漏洩しようとしたら防ぐことは困難だが、少なくとも、操作ミス等などよる情報漏洩には十分効果的だろう。

●情報保護モードでメールを送信する/受信する
以下では、情報保護モードでメールを送信する手順、情報保護モードで送られたメールを受信する手順を説明しよう。

<情報保護モードでメールを送信する>

[作成]をクリックしてメール作成のウィンドウを開く。



宛先、件名、本文を入力したら、[情報保護モードをオン/オフする]をクリックする。



メールの有効期限を設定する。有効期限としては、「1日」「1週間」「1か月」「3か月」「5年」を指定できる。[SMSパスコードを使用しない]を指定して、[保存]をクリックする。なお、[SMSパスコード]を指定した場合は、相手の電話番号を入力して、相手の携帯電話に2段階認証用のパスコードを送信できる。



このように表示されたら[送信]をクリックする。



<情報保護モードで送られたメールを受信する>

メール一覧でメールをクリックして内容を表示したら、[メールを表示]をクリックする。



別タブにメールの内容が表示される。このメールは内容をコピー・印刷したり、転送したりすることはできない。



Gmail以外で受信するとどうなるのか? 有効期限を過ぎたらどうなるのか?
情報保護モードのメールは、もちろんGmailを使っていない相手に送ることもできる。
ただし、その場合は、メールの内容を表示する前に、同じメールアドレスにパスコードが送信され、そのコードを入力したあと内容を表示できる仕組みとなっている。

手順は、次のようになる。


メール一覧でメールをクリックして内容を表示したら、[メールを表示]をクリックする。



[パスコードを送信]をクリックする。



同じメールアドレスに送られた6桁のパスコードを入力する。



メールの内容が表示される。


また、有効期限が切れたあとは、[メールを表示]をクリックしても、次のようなメッセージが表示されて内容を確認できなくなる。


有効期限が切れると、[メールを表示]をクリックすると、このようなメッセージが表示されて内容を確認できなくなる。


Gmailの情報保護モードは、もともとは企業向けのG Suiteで求められていた機能だ。したがって、企業においては情報漏洩対策の1つとして大いに活用されそうだ。

もちろん個人でも、仕事でGmailを使っているなら、これから活躍する場面は増えていくだろう。特に取引先企業がG Suiteを使っているなら、情報保護モードのメールが送られてきたり、情報保護モードでのメール送信を指示されたりする可能性は高い。

いざというとき慌てないためにも、基本的な使い方くらいは、確認しておいた損はないだろう。


井上健語(フリーランスライター)