8月1日放送の「ばらいろダンディ」(TOKYO MX)が、花王の公式ツイッターが「ちょうどいいブス」などと投稿して炎上した件を取り上げていた。

これに、ベストセラーを連発する幻冬舎の編集者・箕輪厚介さんがコメント。こうした大企業が起こしてしまう炎上広告の背景を

「カルチャーとしておっさん文化なんだろうな」

などと評し、「炎上しても下げなくていいケース」についても持論を展開した。(文:okei)

「『ちょうどいいブス』は炎上するって、普通の感覚なら分かるはず」


花王が炎上したのは先月22日、「エッセンシャル」のPRツイートに「山崎ケイってちょうどいいブスじゃなかったっけ?いい女になってるその秘密は?」などと、起用した女性芸人の自虐ネタをそのまま書いてしまったためだ。「外見で値踏みする男の目線を前提にするな」などと批判が殺到し、花王はすでにツイートとPR動画を削除、謝罪している。

これに箕輪さんは、「ネットの構造で、被害者じゃない奴が騒いでいるという問題もある」としつつ、

「ただ、『ちょうどいいブス』っていう言葉を花王が使ったら炎上するだろうって、普通の感覚で分かるから」
「会議とかでもそうですけど、こんな言い方したらアレですけど、カルチャーとしておっさん文化なんだろうなと」

と指摘した。

化粧品のヘビーユーザーだという作家の湯山玲子さんは、男性に媚びるような「キャピキャピ!モテ!」などと広告を打ってくる化粧品業界に「まだこんなことやってんのか」と不満が止まらない。女優の遠野なぎ子さんも、「炎上目的じゃない?」と疑問を投げたが、箕輪さんは「本気で思っていて、だから本当びっくりして削除したんだと思いますよ」とした上で、こう感想を述べた。

「出版もテレビも、こういう大企業もそうですけど、昔からある企業ってホント天然で世間とズレてますよね」

スタジオの女性陣たちは「分かる〜!」と納得しきりだった。

「主張を伝えたい場合には、炎上してもそれを下げる必要はない」

一方で、「炎上して何か得になる事ってあるんですか」との質問には、「何か主張を伝えたい場合には、炎上してもそれを下げる必要はない」としている。

たとえば、箕輪さんが手がけた堀江貴文氏の著書『多動力』の中に、「電話をしてくる奴とは仕事をするな」という項目がある。それを記事にすると炎上するが、ホリエモンとしてはそれが主張であり、「電話なんて人の時間を使うだけでおじさんのツールだろ」ということを言いたいから、

「炎上がむしろ自分の主張を後押ししてくれる演出になる。確固たるポリシーがあればいいんです」

と持論を展開した。

花王については、「単純に『こんな感じでしょ』っていうおっさんたちが作ったキャッチだからビビって下げちゃった」と結論づけている。この指摘からは、いまの女性の本音や価値観ではなく、「おじさんが考える女の心理」しか認めない企業風土があったと推察できる。

湯山玲子さんは、「化粧品だったりとかの色んな仕掛け全部、このところとっぱずれてんのよ」と苦言を呈し、「逆に"本当の女性のマーケット"を捕まえると、私はそこにブルーオーシャンがあると思う」と主張していたが、まったくその通りだ。