修復される土器・されない土器の違いって?これから「縄文展」へ行くあなたに伝えたいこと7つ。

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「縄文時代」のファンがじわじわと増えているのをご存じだろうか。彼らは言う、「今こそ縄文が面白いのだ」と。大げさな…と思っていたら、東京国立博物館(通称・トーハク)では9月2日まで特別展「縄文-1万年の美の鼓動」(以下、縄文展)が絶賛開催中。せっかくの機会だから、この夏は縄文の魅力を探ってみる?



この記事は、7月20日に吉祥寺のカフェ「キチム」で行われたイベント「いい機会だから、縄文のこと」を元に、これから東京国立博物館の「縄文展」へ行く皆さんに知っておいてほしいことを再編成したものです。
登場するのは、縄文を愛してやまないこの3人。
望月昭秀(もちづき・あきひで)
1972年、弥生の遺跡である登呂遺跡で有名な静岡県生まれ。株式会社ニルソンデザイン事務所代表。2015年からフリーペーパー「縄文ZINE」を編集長として発行。著書に『縄文人に相談だ』(国書刊行会)ほか。
品川欣也(しながわ・よしや)
上野の東京国立博物館・学芸研究部調査研究課考古室長。9月2日まで開催中の「縄文展」を担当している。「今回こういった形で吉祥寺のおしゃれなカフェで縄文の話をするなんて、ちょっとビビってます」。
藤岡みなみ(ふじおか・みなみ)
サンミュージック所属のタレント、エッセイスト。新曲「スウィート・サイエンス」が好評発売中。「2014年に北海道の函館で中空土偶という国宝を見てから縄文にハマっています」。望月さんの発行する「縄文ZINE」にもたびたび登場。
 
伝えたいこと1
今、「縄文が好き」って言うとミーハーに思われる可能性があるので注意しよう。
 
「縄文展」、藤岡さんはもちろん行かれましたよね。どうでしたか?
いいの⁉︎こんなに見ちゃっていいんですか⁉︎っていうぜいたくさでしたね。
「こんなベスト盤出していいの⁉︎」って。
そう言っていただけると、準備をした者としてはすごくありがたいです。
まあでもね、「ツウ」はね。ベストアルバムは…っていう(笑)

(一同笑)
そういう意見も確かにあります(笑)
展覧会の準備、大変でした?
いざ始めると、風呂敷を広げ過ぎたなと(笑)展示作品を借りに行くときに、大変さに気付き始めるんです。
縄文をテーマにした展覧会でここまでの規模って、今まであったんですか?
なくはないと思うんですけど、その頃はまだ皆さん縄文に関心がなく…。今ちょうど「そよ風」といいますか、暖かい風が吹き始めているというところで。最近、いろいろ取材が入って、ようやく「縄文人気はうそじゃないかも?」と思えてきました。
そうなんですよ。ちょっと前までは、「えー、土偶が好きなの?」みたいな感じだったのに、今言うと逆にミーハーみたいに思われます(笑)
 
 
伝えたいこと2
縄文土器は、どんなに小さくても、ティッシュに包んで、ポケットに入れて運んだりはしません。
 
展示作品を借りる時、まずは電話や書面でやりとりするんですよね。
まず電話をかけて、「あのこのスケジュール空いてますか?」って。
ブッキングだ!
そうやって全国29の都道府県から集めました。
これ(上の画像)はどこの写真ですか?
北海道に行ったときですね。こういうところで、今回お借りする土器や土偶は生まれたんだなあと。
土器って、迎えに行くんですか?届くのかと思ってました!私勝手に、運送業者に「重要文化財便」みたいなのがあるのかと(笑)
お借りしに現地に行きますね。その上で、運送業者さんと相談して、我々の条件をクリアしてくれるかどうか、そういうところで運び方を決めてます。
大きい土器は分かるんですけど、小さい土器もそうなんですか?
ギターピックぐらい大きさのものもありますよね。
きっと、そういうのはあれですよね。ティッシュに包んで、ポケットにすっと入れて、チャックをピッと上げて…
望月さん、ナメすぎですよね?(笑)
小さいものは、和紙のような薄い紙で包んで、小さな箱に収めて、その上からもっと大きな箱に詰めて運びます。箱が小さいとやっぱり、つい振り回したり、油断しがちになるんですね。プチプチ(エアーキャップ)はあまり使わないです。何か外から力が働いたときに、プチプチが逆にものを痛めてしまう。和紙は、和紙の方が負けて破れてくれるので良いんです。
 
 
伝えたいこと3
トーハクだからって、なんでも借りられる訳じゃない。
 
次は「なんであの土器は展示されてないの?」コーナーです。
そんなこと聞いちゃっていいんですか(笑)
本当に心苦しかったんですけど…。涙をのんで、展示を諦めた土器もあります。
今回の展示は、ベストアルバムですからね。例えば加曽利E式土器は展示されていないですよね。
そうですね。加曽利E式土器はちょうど縄文中期と後期の間の、だんだん装飾がおとなしくなっていくタイプなんですね。今回、縄文土器を時期ごとに分けて紹介しているので、これを中期として紹介してしまうと…
中期は火焰型(かえんがた)土器とか、「派手」っていうイメージがあるから…
はい。今回はそのイメージでまとめた方がいいかなと。
借りたかったけど借りられなかった土器もあるんですか。
ありますよ。先に別の予定が入ってしまっていたとか。トーハクが言えば何でも貸してもらえるんじゃないかと言われるんですけど、全然そんなことはありません。それぞれに事情があるので、仕方ないですね。
 
 
伝えたいこと4
焼町土器が世界と勝負している。
 
今回の展示ですごいと思ったのが、焼町土器
すごかった!一緒に行った私の母が、帰ってきて開口一番「焼町だな」って。気合いが違いましたよね、焼町の展示。
世界の土器と見比べるコーナーだったので、「世界と勝負できる土器は焼町だ!」と。
日本代表として並んでましたよね。どうだ!って感じで。ライティングも「この角度から照らしてください」みたいな。
焼町土器は2箇所から来ていたので、その微妙な違いも面白いですよね。
その違いまで見ているとは(笑)
今回で焼町ファン、増えたと思います。
ありがたいですね。
あとは展示の最初にドーンと置いてある、曽利式(そりしき)の土器もすごくきれいなんですよね。最初にあれを持ってきたのは「これでまず一回みんなの度肝を抜いてやろう」って計算ですか。
われわれは結構、そういう展示の仕方をしがちですね(笑)
 
 
伝えたいこと5
解説文もいいけど、土器そのものを見て味わってほしい。
 
今回の展示、説明文が意外と少ないじゃないですか。見やすいなと。
皆さんすごく真面目なので、まず展示されている作品じゃなくて、解説を読みにいっちゃうんですよね。
いやー分かるわー。癖でやっちゃうんですよね。
入って一番初めの部屋が混雑しがちなのはそれも原因です。
謝辞を読んでますからね。
いいんですよ、謝辞も大事ですから(笑)
もう少し肩の力を抜いて見ていただけるといいですね。われわれも気になったときに読んでいただければいいなあくらいに思っているので。
 
 
伝えたいこと6
「耳飾り」や「足」にポイントを絞って鑑賞してみるのも面白い。
 
「縄文展」に行く人に「見るならここ!」ってポイントはありますか。
全体像が把握できたら、ある部分に絞って見るのは良いかもしれませんね。耳飾りだけ見るとか、足だけ見るとか…足だけ見るって、ちょっとやらしく聞こえますけど。
いや別に聞こえてませんから!(笑)考え過ぎですよ!

(一同笑)
なぜ耳だけ見るかっていうと、縄文人にとっては耳飾りがすごく重要だったから。耳の表現の移り変わりやバリエーションは面白いですね。足を見るっていうのは、実は、自立しない土偶ってすごく多いんですね。「この土偶は手で持っていないと使えないんだ」とか、鑑賞ポイントを決めると楽しめます。
けっこうマニアックな見方ですね。
あとは色だけ見ていくのも良いですね。赤はだいたいマツリのときに使うものだし、縄文の晩期に移行するにつれて、暗い色になっていく傾向があるんです。そういう部分を見たりするのもひとつの手かなと。
ひとつ気になっていたのが、欠けたままの土器を展示する場合と、欠けた部分を修復して完成型に近い土器を展示する場合って、その違いは何ですか?
基本的には「どれくらい残っているか」ですね。あと少し手直しすれば見やすくなるものは、予算があれば修復します。でも縄文人が意図的に壊したところは、縄文人の記憶として残しておいた方がいいので修復しません。合掌土偶は、縄文人がアスファルトを接着剤にして修復した跡があるんですよ
国宝 土偶 合掌土偶
青森・八戸市蔵(八戸市埋蔵文化財センター是川縄文館保管) 青森県八戸市 風張1遺跡出土 縄文時代(後期)・前2000年〜前1000年
へえ、そうなんだ。
土器を「違った目線で見てみよう」っていうのもありますね。火焰型土器って力強い装飾で有名ですけど、この土器の魅力は他にもあって。例えば、粘土を貼り付けているんだけど、はみだしがない。仕上げがすごくきれいなんですよね。だから力強い中にも優美な印象がある。形も整っているので、どの角度から見てもきれいですね。
国宝 火焰型土器
新潟・十日町市蔵(十日町市博物館保管) 写真:小川忠博 新潟県十日町市 笹山遺跡出土 縄文時代(中期)・前3000〜前2000年
今回の展示の多くは、360度見れるような設置になっているから良いですよね。
見せ方にも工夫を凝らして、所蔵元の方にも「貸し出して良かったな」と思っていただきたいですからね。
 
 
伝えたいこと7
縄文はうそをつかない。
 
今日聞いた話を踏まえて「縄文展」を見たらけっこう面白いんじゃないですか。
「持ってくるの大変だったんだろうな〜」とか。
「この土器はあえて欠けたまま展示してるのかな〜」とか。
一応、展示には順路があるんですけど、ひと部屋目が混んでたら、順番通りに回らなくてもいいと思います。縄文はうそつかないので。
縄文は、うそつかない。
会期の後半(「縄文展」は9月2日まで)は、ちょっと混むかもしれないですね。
そうですね、どうしても最終日近くになると混むので、早めに来ていただけると良いですね。
藤岡さんは何かありますか、まだ行っていない人へのメッセージ。
むしろ何で行かないんですかね?(笑)
(会場に向かって)じゃあ、行くっていう人?
恫喝ですね(笑)
今度は夜とかに行きたいですねー。
金曜と土曜は夜9時までやってますので。その時間は比較的空いてますよ!ぜひお越しください。
 
 
最後に…
イベントは大盛況でした!
 
イベントを予約した人には、アート作品として土器や土偶を作る、やまうちたかしさんの小さな土器がプレゼントされた。
縄文時代のルールにのっとった(?)「物々交換」コーナーも。
イベントには、現在放映中の映画「縄文にハマる人々」の監督・山岡信貴さんの姿も。望月さんたちから、「なんでわれわれ3人とも出ていないんですか?」と詰め寄られ、「映画を撮り始めた5年前に『縄文ZINE』があったら、間違いなく声を掛けてたんですけど…」とたじたじに。
イラスト/谷端実
写真/阿部ケンヤ
編集・文/武藤寛奈
デザイン/桜庭侑紀

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