助成金の不正流用などを指摘されている日本ボクシング連盟の問題で、助成金を交付したJSC(日本スポーツ振興センター)に日本ボクシング連盟が不正流用を認め、謝罪する文書を提出したことが分かった。

 不正流用の経緯は3年前、リオオリンピック代表に選ばれた成松大介選手に助成金240万円が支払われたが、山根明会長の指示で他の選手2人と三等分させられていた。その後、日本オリンピック委員会の理事会で助成金の使い方が問題視されると、成松選手はボクシング連盟の女性幹部らから、「あなたがやってくれたとしたら、こちらとしてはすごくありがたい」などと説得を受けていた。

 この問題を巡っては、さらに試合の判定で不正を重ねているなどとして、元選手ら関係者333人がスポーツ庁などに告発状を提出している。そんななか、1日放送の『けやきヒルズ』(AbemaTV)に日本ボクシング連盟の元理事で告発者の澤谷廣典氏が出演。山根会長の“元側近”だった立場から一連の経緯について語った。

 告発の経緯について、「1年前に週刊誌に実名と顔写真を提示して告発したことに端を発して、いろいろな証拠を集めてきた結果、人の輪が広がって今日に至っている」と説明する澤谷氏。続々と手を挙げる人が出てきたことについては、根底に“危機感”があると話す。

 「アマチュアボクシングが2023年の国体から隔年開催、つまり2年に1度しかできなくなった。ボクシングに携わっているものとしては、オリンピック競技でありながら隔年開催というのは危機感を覚えたと思う」

 隔年開催となった背景については、「いろいろな話を聞くが、ひとえには今回取り沙汰されているような不正ジャッジであるとか、山根さんのワンマンぶりがJOCや他団体の間でも評判になっていたと。そういったプラスアルファの悪い面が作用しているんだろうとは聞いている」と明かした。

 山根会長のワンマンぶりについては、一部では周りがそのような存在にしてしまったという意見もある。“元側近”の澤谷氏は「そのとおり」だとし、「2012年のロンドンオリンピックで村田(諒太)くんが金メダル、清水(聡)くんが銅メダルという輝かしい実績をあげた折にも、『ワシの力や。ワシがおってこそのメダルや』と。そんなことはない。村田くん、清水くんの力がメダルを獲ったわけで、その会長の言葉に誰かが『選手を褒めてあげましょうよ』と言えれば話は変わったと思う。それに輪をかけて“終身会長”という肩書を与えて、ここから山根さんの暴走列車ぶりに拍車がかかったと僕は思う」と語った。

 では、なぜ周囲はそれを指摘できなかったのか。澤谷氏は「絶えず恫喝をしているわけではないが、その1度の見せ方が上手だった」として、周囲が恐怖によって支配されている集団になってしまっていたと説明。さらに、連盟の構成員のほとんどが高校や大学の教諭・教員だとし、「個人が迷惑をかけたり処分を受けたりすると、抱えている生徒にも影響が及ぶ。それを考えると、どうしても発言ができなくなるのが人の性だと思っている」と釈明した。

 暴走を許してしまった日本ボクシング連盟の責任はどこまであるのか。澤谷氏は「山根さんの周りにいる理事の方々の誰しもが胸の痛い思いをしていると思う。みなアマチュアボクシングを愛して純粋な気持ちでやってきた職員ばかりなので、胸に手を当てて生徒に嘘のない人生を考えてほしい」と訴えた。

(AbemaTV/『 けやきヒルズ 』より)

▶ 【動画】亀田家の最終兵器、亀田京之介のプロデビュー戦