遊女ウケ抜群?江戸時代にもモテファッションを紹介するメンズ向け雑誌があった!

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毎月決まって購入するファッション雑誌はありますか?最近はネットやアプリでファッションスナップを見ながら、流行をチェックしている人も多くなっていると思いますが、江戸時代にもおしゃれに気を使う人はもちろんいたわけで、そんな人達に向けた雑誌もいろいろと刊行されていました。

今日は江戸時代に刊行された「当世風俗通(とうせいふうぞくつう)」という指南書を紹介します。

当世風俗通は安永2年(1773年)に金錦佐恵流という人物によって書かれた書物で、現代風に言えば”今どきファッション紹介マガジン”といった感じでしょうか。安永2年当時のイケてるメンズファッションが紹介されているんです。

大辞泉によると”若者向けの傾城買いの指南書”とのことで、”傾城買い”とは遊女と遊ぶ、遊女を買うことを指しますので、カジュアルな普段スタイルというよりも、ここぞという時のキメスタイル寄りですね。

実際に内容を見てみると、当時の若者のおすすめスタイリングを絵図入りで紹介しており、それぞれのスタイルに極上之息子風、上之息子風、中之息子風、下之息子風などの見出しが付いています。




このあたりは現代でいうところのストリート系、オラオラ系、ちょいワル系などのジャンル分けに似ていますね。

さらに当世風俗通には「イケてるヘアスタイル 8選」も紹介しているんです。ファッション誌の中にヘアスタイルコーナーがある現代の雑誌と同様の構成に思わずにんまり。

た・だ・し…

江戸時代なのでもちろん、ちょんまげです(笑)

当時の若者がこの雑誌をどこまで本気で参考にしていたかは不明ですが、現代のように流行を手軽にチェックする手段が少なかった江戸時代において、おしゃれに気を使う人たちにとって、こういった指南書は貴重な情報源だったに違いありません。

今回紹介した当世風俗通は実は前後編あり、前編が男性版で、後編は「後編当世風俗通」や「当世女風俗通」という名で女性版の指南書になっています。こちらはまた次回紹介したいと思います。

当世風俗通は国立国会図書館デジタルコレクションで閲覧可能になっていますので、ぜひチェックしてみてください!

当世風俗通(とうせいふうぞくつう)
 

当世風俗通 - 国立国会図書館デジタルコレクション