※画像はイメージです(以下、同)

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 フランスの優勝という形で幕を閉じた今回のサッカーW杯。数々の記憶に残るシーンのなかで、忘れがたいスターの1人はブラジル代表のネイマールだ。スローモーションで映し出された彼のあまりにも白々しすぎる演技(シミュレーション)が、いまでも頭から離れない。

 さてそんなネイマールの演技を見て、「自分の会社にいるアイツ」を思い出してしまった方はいないだろうか。バレバレの嘘や演技で結果を得ようとする……。そこで今回は、(偏見極まりないが)ネイマールな奴がウジャウジャいそうなテレビ業界の話を伺った。

◆テレビ業界のネイマールな行動

 映像制作会社勤務3年目のAD男性・宇田川さん(仮名・20代後半)は、主に地上波の番組で使用する再現VTRを制作している。まだ新人だった頃のある日、宇田川さんはVTRで使用する画像の資料集めを任されたそうだ。上からの指示は、「1人で国会図書館に10日間こもって、とにかくVTRのクオリティが上がるような資料をかき集めろ」とのこと。

「こういう仕事って、終わりがあるわけではないじゃないですか。『ここまでしかできませんでした』って言ってしまえばそれまでなので、サボろうと思えばいくらでもサボれると思ったわけですよ」

 というわけで宇田川さんは日々の仕事の疲れもあり、余裕の昼出勤をかましていたそうだ。図書館が閉館した後は会社に戻り、「いや〜資料ってなかなか見つからないもんですねぇ」とわざとらしく汗をぬぐっていた宇田川さん。

◆ADは意外と真面目らしいが……

 昼出勤でのんびりと資料を探していた宇田川さんであったが、途中で「このままでは終わるわけがない」ということに気が付いたそうだ。そう、テレビ業界というのは激務×激務のとにかくハードな現場。楽した分だけすべて自分に降りかかってくるのである。

「連日の昼出勤が響いて、後半は“図書館もっと早く開けよクソ!”と思うくらいでした。外回りの営業が仕事しているフリしてその辺でプラプラしているなんてのはよく聞きますよね。結局、テレビ業界にそんな時間はないんですよね。ネイマールしている暇なんてないんですよ」

 山のような業務が上から投げ込まれ続けるADという仕事。AD同士が協力し合って……なんて雰囲気はまるでなく、「サボったら殺すからな」という牽制の掛け合いが日常である。ADはもちろん、上司であるディレクターにネイマールしているのがもしもバレたら……。想像するだけでゾッとするので「ADは意外と真面目に働いているんすよ」とのことだ。

 しかしながら、学生時代にテレビの制作会社でアルバイトをしていた筆者には、忘れられないADのネイマールな言動がある。

◆働くフリしてバイトに丸投げのAD

 筆者はとあるテレビ番組の収録テープをすべて文字に起こすというアルバイトをしていた。勤務時間は21時〜翌5時。上司たちが帰宅した後、徹夜組のADと一緒に作業をするのだ。

「○○さんお疲れ様でした! あとは私がバイト君と一緒にやっておくので大丈夫です! 文字の書き起こしは明日の朝までですよね? 協力すれば終わると思います!」

 と仕事する気満々で上司に報告していた若手AD。しかし上司が帰った途端、デスクに突っ伏してイビキをかいて寝始めた。30分後に目を覚まし、床でストレッチ。するとパソコンでYoutubeを開き、くだらないYoutuberの動画を見てはヘラヘラしているではないか!

 その後も漫画村を読んだりカップラーメンをすすったりする始末。深夜2時には担当の分(ADと半分ずつ)が終わっていた筆者に対し、ADはこう言い放った。

「終わったなら私の分もやっておいて〜」

 社内でサボる勇気はないが、外部のスタッフと知った途端にやりたい放題というわけだ。宇田川さんによると、「近年は働き方改革なんて言葉が流行っていますが、私もそんな言葉使ってみたい。無縁な世界で働いているので」だそう。やはり一筋縄ではいかないテレビ業界。職場に問題があれば社員にもまた問題あり、といったところだろうか。<取材・文/國友公司>

― 身近に潜むネイマールなヤツ ―