「オリーブ油そば」(750円)。具は鶏チャーシュー2枚、水菜、白髪ネギ、糸唐辛子で彩りも美しい。さらにカットレモンが付く。写真は大(225g)

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ラーメン、つけ麺に次ぐ“第3の麺”として、すっかり定着したまぜそば。汁なしや和え麺など、店によって呼び名やスタイルもさまざまだが、一番オーソドックスなのが油そばだ。その名からカロリーが高いイメージを持たれがちだが、実はスープがない分、ラーメンよりカロリーが少ない。そして今、さらにヘルシーな油そばが現れた!

【写真を見る】「ピエトロ・コリチェッリ」のエキストラヴァージンオリーブオイルを使用。オレイン酸やポリフェノールなどが豊富で体に優しい

■ イタリア・老舗メーカーの最高級オリーブオイルを使用

その店が東京・浅草に5月16日にオープンした「オリーブ油そば 三六」。その名の通り、オリーブオイルを使った油そば専門店だ。

決め手となるオリーブオイルは、イタリアの老舗メーカー「ピエトロ・コリチェッリ」のエキストラヴァージンオリーブオイルを使用。“エキストラヴァージン”は、オリーブオイルの鮮度基準となる酸度が0.8以下のもので、この数値が低いほど新鮮。同社のエキストラヴァージンオリーブオイルは、酸度が0.4と特に低く、その風味や味わいのよさが世界的に認められている。

その分、当然値段も張るが、「香りはもちろん、独特の辛みと渋みが他にはない」とオーナーの監物(けんもつ)昌宏さんがほれ込み、それを使った油そばを考案した。

基本のメニューは「オリーブ油そば」(750円)と「スパイシーオリーブ油そば」(850円)の2種。

麺は有名製麺所「カネジン食品」に特注した中太ストレート。モッチリとした食感で、並(150g)と大(225g)が同料金なのがうれしい。

その麺にオリーブオイルと一緒に絡めるのが、特製の醬油ダレ。兵庫の老舗メーカー「ヒガシマル醬油」の「特選丸大豆うすくちしょうゆ」がベースで、そこに煮干しやカツオなどの魚介ダシ、さらには隠し味に白ワインも加えている。もちろん旨味調味料は不使用だ。

【ラーメンデータ】<麺>中太/丸/ストレート <スープ>タレ:醬油 仕上油:オリーブオイル 種類:なし(スープ不使用)

■ レモンや卓上調味料で自分好みの味にカスタマイズ

運ばれてきた「オリーブ油そば」は、まずその香りにうっとりとさせられる。新鮮なオリーブならではのフルーティな芳香が食欲を誘う。

麺にはあらかじめ、醬油ダレとオリーブオイルが絡められているので、麺を下から上に持ち上げれば、そのまますぐ食べられる。

モッチリとした麺を噛むと、オリーブオイルのさわやかな味わいが口いっぱいに広がっていく。醬油ダレは角がなく、あっさりめ。ほんのりとバルサミコの甘味と酸味もあり、くどさはまったくない。

具は鶏ムネチャーシュー2枚のほか、水菜、白髪ネギ、糸唐辛子で、さらにレモンが付く。鶏ムネチャーシューは低温調理でしっとりと仕上げていて、驚くほど柔らか。厚めにカットされ、食べ応えがあるが脂身がなくてヘルシーだ。

そして油そばの楽しみといえば“味変”。途中から別皿のレモンを絞ると、味が引き締まり、よりイタリアンな味わいに。また、卓上には醬油ダレのほか、唐辛子オイル、アップルビネガー、黒コショウ、刻みタマネギと多彩なアイテムを常備。自分好みの味にカスタマイズできる。

これまでありそうでなかった、オリーブオイルの油そば専門店。ヘルシー志向な女性はもちろん、麺は+100円でダブル(300g)にできるほか、鶏チャーシューを使った「三六丼」(350円)などもあり、ガッツリ食べたい男性の胃袋も満たしてくれる。(東京ウォーカー・取材・文=河合哲治郎/撮影=岩堀和彦)