NHK「かんさい熱視線」で紹介した円グラフのイメージ

写真拡大

NHK総合の地域情報番組「かんさい熱視線」(近畿圏で放送)が、IR誘致の賛否をめぐる世論調査結果の円グラフに誤りがあったとして、番組公式サイトで訂正した。

IR誘致に「反対」と回答したのは42%、「どちらともいえない」が34%。だがグラフ上では、明らかに「どちらともいえない」の面積が「反対」のそれを上回っていた。

「おかしい」「わざとなの?」

問題のグラフを放映したのは、2018年7月20日放送回の「関西にカジノ!?〜IRの光と影」。カジノを含む統合型リゾート施設(IR)整備法案が同日に可決、成立する見通しであったことを受け、番組ではIR誘致の賛否を問うた世論調査の結果を円グラフで紹介した。

画面に映したグラフでは、「賛成17%」「反対42%」「どちらともいえない34%」「無回答7%」という結果に。だが、円グラフの面積で比較すると、どう見ても34%の「どちらともいえない」が42%の「反対」を上回っていた。

しかも「賛成」と「反対」の合計は59%で、過半数を超えているにもかかわらず、グラフでは半分も満たしていない。ツイッターなどインターネット上では放送後、

NHKの放送でのIR法案に関する調査のグラフがおかしい」
「このグラフはおかしい。『どちらともいえない』の面積が大き過ぎる」

との指摘が続出。「わざとなの?」と印象操作を疑う声や、人気番組「チコちゃんに叱られる!」を引き合いに「チコちゃんに叱られるよ」との声も上がった。

NHKは23日、番組の公式サイトで「7月20日放送の『関西にカジノ!?〜IRの光と影』の円グラフの訂正について」と題する訂正文を掲載した。

「円グラフ上は数字では正しく表記していましたが、『どちらともいえない』の面積の方が大きく表示されていました」と説明。その上で、

「作画ミスによるもので、確認が不十分なまま放送してしまいました。今後、このようなことがないようにチェックを徹底していきます」

と釈明した。

意図的だったのか? NHKに聞いた

番組を制作するNHK大阪放送局の広報担当者は、24日のJ-CASTニュースの取材に「制作する際の作業ミスが原因で、確認作業が不十分なまま、放送してしまいました」と改めて説明した。

「制作の過程につきましては、お答えしていません」と、ミスの当事者に関してはノーコメント。ただ、「印象操作」疑惑については「意図的なものではありません」と否定した。

20日放送回は、翌21日朝10時55分にも再放送。そこでは、問題の箇所を修正して放送した。

番組で紹介した世論調査は、3月23日から3日間、コンピューターで無作為に抽出した番号に電話する「RDD」方式で実施したもの。大阪府内の18歳以上男女1694人を対象に行い、62%にあたる1056人から回答を得た。