古いロシア製シネマレンズもミラーレスのデジタルカメラで使えるようにしてみた

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デジタルカメラには、高画質・高性能な一眼レフカメラがあります。
ただこの一眼レフカメラは価格も高額なため、最近では、ミラーレスカメラが人気です。
ミラーレスカメラは、カメラ本体の小型で価格も安価というメリットがあります。

ですが、もう一つ、古いフィルムカメラのレンズ、いわゆるオールドレンズの活用ができるというメリットもあります。

ミラーレスカメラは、フランジバッグが短いことから、オールドレンズもマウントアダプターを介して使用しやすくなっています。
※フランジバックとは、
レンズマウントのマウント面から、フィルム(撮像素子)面までの距離。

オールドレンズ利用では、ほぼマニュアルフォーカスにはなりますが、最新のミラーレスカメラで何十年も前のオールドレンズを活用することができます。


このオールドレンズ活用では、もう一歩進んだ方法として、マウントアダプターを自作する方法もあります。

オールドレンズによっては、
・対応するマウントアダプターがリリースされていない
・対応するマウントアダプターの入手が難しい
といったケースもあります。

特に、
・古いレンズ
・市場に流通していないレンズ
こうしたレンズの場合、対応するマウントアダプターの入手は困難になります。

マウントアダプターの自作って、難しそう。
そう感じるかもしれませんが、パーツを組み合わせることで自作することも可能なのです。

ここでは、ロシアのシネマレンズのマウントアダプターの作成例を紹介します。

今回試したレンズは、OKC8-31-1 35mm F2というレンズです。


OKC8-31-1 35mm F2


映画用で使われていたと思われますが、マウント部分は特殊な規格となっています。


レンズのマウント部分


そこで、いくつかの部品を組み合わせてマウントを作成します。



マウントアダプターを作成する部品


・52mmのUVフィルターのガラスを抜きます。
・レンズに接着剤で固定します。
・52mm-42mmのヘリコイドチューブを繋ぎます。
・ヘリコイドチューブをソニーα7IIにマウントできる変換リングを付けます。
これで完成です。


α7IIにOKC8-31-1 35mm F2をマウントした様子


撮影ではピントリングがないため、
52mm-42mmのヘリコイドチューブにてピントを合わせます。
フルサイズでは周辺がけられてしまうため、APS-Cモードにて使用します。

撮影例です。

α7II(APS-Cモード)とOKC8-31-1 35mm F2の撮影例


このように昔に映画用として使われていたレンズも、工夫次第でミラーレスカメラで撮影することもできます。そして、現在のデジタルカメラ用のレンズとは一味違った描写を楽しむことができます。


伊藤浩一