日本郵便が「玄関前に置くだけで配達を完了するサービス」を本格的に始めると報じられ、注目が集まっている。

宅配便の「再配達」が深刻

宅配便の「再配達」が深刻な社会問題になっている。

国土交通省のホームページによると、宅配便の取扱個数の約2割が再配達になっており、ドライバー不足の深刻化や二酸化炭素排出量の増加の一因になっているそう。

環境省は国民運動の一環として「COOL CHOICE できるだけ1回で受け取りませんかキャンペーン〜みんなで宅配便再配達防止に取り組むプロジェクト〜」を展開。

官民連携で「宅配ボックスの設置」や「駅やコンビニでの受け取り」など、再配達防止に向けた取り組みを行っている。

出典:「国土交通省」ホームページ

日本郵便が「置くだけ配達」本格スタートへ

そんな中、日本郵便が来春から、配達商品を「宅配先の玄関前に置くだけで配達を完了するサービス」を本格的に始めると読売新聞が報じている。

受け取り側の在宅・不在を確認せず、配達員が玄関のドアノブに商品が入った袋をかけたり、宅配ボックスに入れるなどすると配達が完了。

通販会社や百貨店などを対象にしたサービスで、受け取り側が企業から商品の発送連絡を受けた後、この方式による配達か従来通り在宅中に配達をしてもらう方法かを選択するという。

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昨年「宅配ボックス」への配達を開始

日本郵便は2017年6月から、不在時に「宅配ボックス」へ書留郵便やゆうパックなどを配達するサービスを始めた。

事前に郵便局に依頼書を提出し、指定した宅配ボックスが規格要件を満たすと確認されれば、ボックス内に二次元コードを貼付し、宅配ボックスへの収納で配達を完了するという内容。

今後、玄関前などに置くだけで配達を完了するサービスが始まれば、再配達をさらに削減でき、人手不足の解消やコスト削減につながると期待されている。

広がる「置き配」

玄関先などに荷物を置いてもらう「置き配」はアメリカなどでは一般的で、日本でも近年さまざまな企業が導入している。

通販大手の「Amazon」は、一部注文を対象に不在時に指定の場所に届けることで配達を完了する「不在時置き配サービス」を日本ですでに実施している。

化粧品・健康食品の「ファンケル」は、玄関前やドアノブなどのほか、自転車のカゴやガスメーターボックス、玄関前の傘立ての横などを配達先に指定できる配達サービスを提供。

アスクルの個人向け通販「LOHACO」は2017年8月、玄関扉の前か車庫、物置の中、裏口・勝手口扉の前のいずれかをお届け場所に指定できるサービスを始めた。

出典:「アスクル」プレスリリース

ネット上には「盗難」を心配する声

日本郵便が「置き配」を本格的に始めるとの報道を受けて、ネット上には「ありがたい!」「高価なものなんて滅多にないので、そのほうが助かる」「置くだけにするかを選択可能なので良いね」「これは良い変革」「ガンガンやってくれ」など賛同する声が寄せられている。

一方で、「再配達の手間が省けるのはいいけど、窃盗とかちょっと心配」「モノによる」「ゲリラ豪雨への対策は?」「留守の証明になって、空き巣被害が増えそう」「トラブル多発の予感」など慎重な意見も。

荷物が盗まれることを心配する声が多く見られた。

「置き配保険」も誕生

置き配の拡大を受けて、専用の盗難保険を開発した企業もある。

物流系ベンチャーYper(イーパー)は先日、同社の置き配バッグOKKIPA向けの盗難保険を東京海上日動と共同開発したと発表した。

宅配物がバッグに預け入れされた時点から一定時間(24時間を予定)を対象に、受け取った宅配物に盗難保険を付保。

7月から約1カ月間、東京23区内で実証実験を行い、同バッグの市販を始める8月下旬から保険も適用される予定だという。

出典:「Yper」プレスリリース