中国の技術の専門家は、中国の特許出願件数はすでに世界第2位であり、3年以内には米国を抜く勢いであると主張したほか、中国の研究開発費も年々増加していると主張。米国が「中国が米国の技術を盗んでいるはずがない」と言い切った。(イメージ写真提供:123RF)

写真拡大

 世界の工場と呼ばれた中国。今もさまざまな製品が中国にある工場で生産され、世界各地へと輸出されている。その一方で、さまざまな模造品も生産されていて、偽物大国との汚名も持つ中国だが、近年は技術力を急激に高めているのも事実だ。

 中国が短期間で技術力を高めていることについて、米国では「中国が米国の技術を盗んでいる」という論調も存在するが、中国共産党機関紙・人民日報は18日、中国国際貿易学会の専門家の見解として「中国が米国の技術を盗んでいるはずがない」と反論する記事を掲載した。

 米国では中国政府が絡むハッキングが増えていると言われおり、これまでにも米国の最新戦闘機や潜水艦搭載ミサイルの機密が盗まれたという報道が見られた。こうした報道に対し、記事は「中国が米国の技術を盗んでいる」という論調は「完全にデマ」であると主張し、米国は事実を捻じ曲げて「中国の科学技術力の発展は世界の脅威であると煽っている」と主張した。

 続けて、中国の特許出願件数はすでに世界第2位であり、3年以内には米国を抜く勢いであると主張したほか、中国の研究開発費も年々増加していると主張。2017年における中国の研究開発費は国内総生産の2.12%にも達したと強調し、こうした投資が中国の技術力向上を強力にサポートしているのだと反論した。

 また記事は、中国は知的財産権の使用料として海外に支払っている金額は17年に286億ドルに達し、世界貿易機関に加盟した2001年の15倍以上に達したと紹介し、こうした事実から、中国は独自に技術力を高めていることがわかるとし、米国が展開する「中国が技術を盗んでいる」という主張は事実無根の濡れ衣であると主張、身の潔白を主張した。

 たしかに、近年の中国の技術力の進歩には目を見張るものがある。宇宙開発や原発、スーパーコンピューター、高速鉄道、量子通信や人工知能など、中国が世界有数の技術力を持つ分野は少なくない。高まり続ける中国の技術力は米国のみならず、日本にとっても脅威だと言えるだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)