デュドランジュは目下国内リーグ3連覇中で14度の優勝を誇る、ルクセンブルク屈指の名門だ。昨季はCL予選で2回戦まで進んだが、今季は“ドロップキック”とともに初戦で散った。(C)Getty Images

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 ロシア・ワールドカップの興奮が覚めやらぬなか、すでに欧州では新シーズンが開幕している。2018-19シーズンのチャンピオンズ・リーグ予選だ。
 
 7月18日に行なわれたその1回戦で、とんでもないラフプレーが飛び出した。対戦したのはヴィデオトン(ハンガリー)とF91デュドランジュ(ルクセンブルク)。第1レグは1-1で終わり、迎えた運命の第2レグだ。ホームのヴィデオトンが2-1とリードし、2戦合計3-2でアドバンテージを得たままアディショナルタイムに突入した。一方のデュドランジュも1点を奪えば、アウェーゴールの差で逆転できる。ベンチも含めてゲームは大いにヒートアップしていた。

 
 事件が起きたのは、93分だ。浮き球に対して高く飛び上がってクリアしたのが、デュドランジェのフランス人DFブライアン・メリス。だがこのあとがマズかった。ボールを詰めに寄せていたヴィデオトンMFマテ・パツカイに向かって、なんと勢いのままにドロップキックをお見舞いしたのである。英サッカー専門誌『FourFourTwo』は「史上最低のタックル誕生? 展開にイライラしていたのか、メリスがあるまじき暴挙に出た」と報じた。
 
 当然、スコットランド人のドン・ロバートソン主審は一発レッドを提示。メリスは「ああやっちまった」とばかりに最初は呆然自失の表情を見せていたが、倒れたままのパツカイに手を貸すこともせず、そそくさとピッチを後に。ベンチから飛び出してきたヴィデオトンの選手に悪態をつくなど、非紳士的な振る舞いに終始した。
 
 試合はこのまま終了。ヴィデオトンが2回戦進出を果たしている。それにしてもメリスにはUEFAから、何試合の出場停止処分が下るのだろうか──。