トヨタの新型「スープラ」には、4気筒ターボ・エンジン搭載モデルの設定もあることが明らかに!
私たちが前回、トヨタのチーフエンジニアである多田哲哉氏と会った時、新型「スープラ」には直列6気筒エンジンが必須だと明言していた。トヨタ「セリカ」に6気筒エンジンを搭載した派生モデルとして登場して以来、それはずっとスープラの特徴であるからだ。しかし、米国の自動車情報メディア『Road & Track』によれば、新型スープラにはターボチャージャー付き直列4気筒エンジンを搭載するモデルも設定されるという。これはスープラとその兄弟車であるBMWの新型「Z4」にトランスミッションを供給するZF社の書類に基づく情報であり、同メディアの編集者の1人が多田氏に確認を取ったそうだ。この書類によると、スープラのエンジンはどちらもBMW製で、最高出力は6気筒が340psであるのに対し、4気筒は265psになるようだ。

6気筒より軽量な4気筒エンジンを搭載し、バランスの良い重量配分、軽快なドライビングの愉しさに焦点を当てた、比較的安価なスープラが登場するとなれば非常に興味深い。しかし、これはトヨタがすでに販売している「86」とよく似たクルマになるようにも思われる。スープラはターボチャージャーによる65ps(マニュアル・トランスミッションの86と比べたら58ps)増しのパワーで差別化されるわけだが、スープラに4気筒バージョンを追加することでディーラーが混乱する感は否めない。86は最も影響を受ける可能性がある。同じようなサイズでもっとパワフルなスープラがあれば、86を購入しようとする人は減るだろう。86という名前はスープラと比べると有名でもなければ特別でもない。4気筒エンジン搭載の廉価版であっても、スープラの方がプレミアムなクルマになることは間違いない。



とはいえ、86にも希望がないわけではない。トヨタは、新型スープラをポルシェ「718 ケイマン」やジャガー「Fタイプ」のライバルと位置づけて、86よりかなり高額な価格設定にする可能性があるからだ。ポルシェとジャガーは両モデルとも車両価格が5万ドル(約565万円)を超える。トヨタが、もしこのクラスへの参入を狙っているのであれば、スープラのエントリー・グレードが4万ドル(約452万円)以上になることは十分考えられる。それなら3万ドル(約339万円)以下で買える86にも存在意義があるだろう。

しかし、86には他にも障害があると、米国版Autoblog編集主任のAlex Kiersteinは指摘する。86は市場に出てから既に6年が経っており、その売れ行きは年々減少している。自動車メーカーが、異なるプラットフォームを使用する2車種のスポーツカーをラインアップに持つことは、あまり合理的とは言えない。特に一方が高級かつ威光を感じさせる製品で、もう一方の薄利な大衆向け製品よりも多くの利益が見込めそうな場合はなおさらだ。しかも86とその兄弟車「BRZ」を共同開発したスバルとの協業があまり上手くいっていないという報道も考えれば、トヨタが再びスバルと協力し合って86/BRZの次期型モデルの開発に取り組むよりも、BMWと共にスープラの拡大に力を入れようと考えても無理はない。

もちろん、現段階では全てが推測に過ぎない。しかし、近い将来にトヨタのスポーツカー戦略が軌道修正を余儀なくされるであろうことは確信できる。2台とも残されるのか、あるいは生き残るのは1台だけになるのか、時間が経てば分かるだろう。

By Joel Stockdale

翻訳:日本映像翻訳アカデミー