主力の売却を迫られているイタリアの名門ACミラン【写真:Getty Images】

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中国資本を元手に260億円の大補強も失敗 EL出場権が取り消される事態に…

 イタリアの名門ACミランは、欧州サッカー連盟(UEFA)が定めるファイナンシャル・フェアプレー制度(FFP)への違反で欧州カップ戦から除外される処分を受け、主力の売却を迫られている。

 イタリアのサッカー専門サイト「カルチョメルカート・コム」は、その駆け引きを報じた。

 ミランは中国資本への株式売却で資金を得た昨季に2億ユーロ(約260億円)の大補強に打って出たが、それがFFP違反への引き金になってしまった。新シーズンのUEFAヨーロッパリーグ(EL)出場権を得ていたが、処分によりその権利は取り消し。スポーツ仲裁裁判所(CAS)へ訴えを起こす準備を進めているが、その結論が「NO」であれば、主力の売却を迫られるという。

 さらに、ミランは買収を行った中国人投資家リー・ヨンホン氏が、米国ファンド「エリオット・ファンド」への返済が間に合わずに保有権が渡り、経営環境すら不透明な泥沼にはまり込んでいる。

 そのなかで、高額な売却が付きそうな候補として浮上しているのがイタリア代表DFレオナルド・ボヌッチだ。フランスの強豪パリ・サンジェルマン(PSG)が興味を示していることから、4000万ユーロ(約52億円)での獲得を持ちかける準備を進めているという。

同じFFPで問題を抱えるPSGに駆け引きを持ちかける

 一方で、PSGもまたFFPの監視下にある存在だ。先日にはUEFAが再調査を明言しており、高額補強には慎重にならざるを得ない。ミランはPSGに対し、成果ボーナスを高額に設定することで獲得を持ちかける“駆け引き”も画策しているようだ。

 片やチャイナ・マネー、片やオイル・マネーを得た両名門クラブだが、ミランは大失敗の道を歩んでいる。ある意味ではFFPの機能を果たしたと言えるが、北イタリアの名門は、花の都パリから現金収入を得るための作戦を練る必要がありそうだ。(Football ZONE web編集部)