【警告】磐田=上原(56分)、高橋(64分) 鹿島=山本脩(86分)
【退場】磐田=なし 鹿島=なし
【MAN OF THE MATCH】土居聖真(鹿島)

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[J1リーグ16節]磐田 3-3 鹿島/7月18日/ヤマハ
 
【チーム採点・寸評】
磐田 6
3-1-5-1の新システムはまだ連係がぎこちなく、鹿島の速いパス回しに、守勢に回る時間が長かったが、その中で少ないチャンスをモノにして3得点を挙げた。後半、山田が投入されると前への推進力が生まれ逆転する粘り強さを発揮。終了間際に追いつかれ勝利はならなかったが、濃密な熱闘を披露しホームを沸かせた。

【磐田 3-3 鹿島 PHOTO】激しい点の取り合いは決着つかずのドローに終わる
 
【磐田|採点・寸評】
GK
21 カミンスキー 5.5
3失点は、いずれも相手の力量を褒めるべきだろう。鈴木の決定的なヘッドを右手で掻き出すなど好セーブも見せた。
 
DF
3 大井健太郎 5.5
苦しい時間もラインを上げようとしていた。守備で身体を張るも、相手の攻めの展開の速さに後手を踏んだ。
 
4 新里 亮 5
クリアミスやパスが合わないなどピリッとしない出来。GKからのパスをワンタッチで相手に渡すイージーミスから2失点目を献上してしまった。
 
3 高橋祥平 6
新システムと相手の攻撃の圧のため攻め上がりやインターセプトは少なめ。だが82分に鋭い縦パスを通し逆転弾を演出。持ち味を発揮した。
 
24 小川大貴 5.5(59分OUT)
鹿島のパス回し、スピーディな攻撃に下がり気味で持ち前の攻撃力を封じられ見せ場をつくれず。59分にピッチを退く。
 
5 櫻内 渚 6(79分OUT)
裏を使われたが、絶妙クロスで先制点をアシストし、相手の裏にラストパスを通すなどチャンスを創出。79分に負傷退場。
 
MF
13 宮崎智彦 5.5
新システムのアンカーに抜擢され先発。攻撃を自重しバランス取りにやや苦心するが、相手の攻めにやや受け身に。位置取り低く周囲を押し出せなかった。
 
7 田口泰士 5.5
名波監督が「バランサー」と呼ぶ新システムの要となる中盤を担う。バスさばきは的確でアンカーとのバランスも良かったが、プレー位置が低い時間が多くチャンスメイクは少なかった。
 
30 上原力也 6
左のバランサーで先発。苦しんだ前半、スルスルとゴール前に進入し櫻内のクロスを頭で決めリーグ戦初ゴール。攻守に奮闘しチーム一の走行距離を記録。
 
11 松浦拓弥 6(89分OUT)
中断前のキレと好調さをキープ。周囲のサポートが遅れる場面でもボールをおさめ、またアジリティを発揮し攻撃を牽引。果敢な仕掛けで山田の同点弾をお膳立て。
 
FW
20 川又堅碁 6
公式戦3連発となる逆転ヘディング弾。先制場面もDFを引きつけた。だが、前線で競り負けることが多くボールも収まらず、チェイシングも物足りない。
 
交代出場
MF
19 山田大記 7(59分IN)
ひとりで相手ボールを奪い切り、抜群のキープ力を発揮。相手の嫌なところに入り込むクレバーなプレーで鹿島の流れを断ち切った。同点ゴールを決め、川又の逆転ゴールをアシストする八面六臂の活躍。
 
23 山本康裕 ―(79分IN)
負傷交代した櫻内に替わり、右のウィングバックにイン。思うように攻撃はできなかったが相手選手に粘り強く対応した。
 
16 中野誠也 ―(89分IN)
3-3に追いつかれた直後にイン。逆転ゴールを狙うがチャンスはめぐってこなかった。
 
監督
名波 浩 6
キャンプからトライしている新システムで鹿島に挑んだ。相手の攻めを受け前に出ていけなかったが、後半は修正し前選択が増えた。59分に山田を投入し3-4-3に戻した采配でペースを引き戻した。引き分けに終わったが思い切った新システムの採用で、後半戦の戦い方の幅を広げた。
 
【チーム採点・寸評】
鹿島 6.5
磐田の新システムも意に介さず、中盤と前線が流動的にアグレッシブに動き、流れるようなパスワークで試合の主導権を握り、今季リーグ戦でゴールがなかった3人で3得点。逆転し逆転され、最後に追い付くシーソーゲームとなったが、内容的には上回った。それだけに、守備の綻びと前半のチャンスに決めきれなかったことが悔やまれる。

 
【鹿島|採点・寸評】
GK
1 クォン・スンテ 5.5
15分に川又のシュートを片手で弾く好セーブ。1失点目は虚をつかれた印象だが他の失点は致し方なし。経験の少ないCBとの連係を磨きたい。
 
DF
22 西 大伍 6
リスク管理をしながら、常に攻め気を切らすことなく、小川大や宮崎に自陣で仕事を殆どさせなかった。

39 犬飼智也 5.5
昌子、植田の不在により町田とのCBコンビで最終ラインを統率。落ち着いたCB同士のパス交換でリズムを作り、守備でも奮闘するが、相手の少ないチャンスでゴールを許し勝利ならず。
 
28 町田浩樹 5.5
タイトなマークで川又をケア。長身を活かし相手エースに当てるハイボールに競り勝った。2失点目は松浦を止められなかった。
 
32 安西幸輝 6
前半の立ち上がりから積極的に左サイドを攻め上がりクロスを放つなど、鹿島のエンジン点火にひと役買った。
 
MF
20 三竿健斗 6.5
セカンドボールへの反応、激しいチャージ、正確なロングパス、的確なチラシなど中盤で鹿島ペースを支えた。鋭い縦パスで3得点目の起点に。
 
6 永木亮太 6.5(84分OUT)
ボランチの位置でバランスをとり攻守のダイナモとなり続けた。DF陣と、相手エースやゴール前に入り込む選手を挟み込んだ。
25 遠藤 康 6(38分 OUT)
相手アンカーの脇を突き、磐田を押し下げた。34分、クロスを鈴木が落としたところに走り込み強烈な反撃の狼煙の同点弾を挙げるが4分後に負傷退場。
 
30 安部裕葵 7(72分 OUT)
精力的、かつ流動的に中盤を走りスピーディなパスワークに貢献しながらゴール前へ。右から逆サイドの鈴木にパスを送り1得点目をお膳立てすると、69分には飛び出してきたGKの上を抜く浮き球シュートで逆転弾。土居との連係も光った。
 
FW
MAN OF THE MATCH
8 土居聖真 7
三竿の縦パスをフリックして守備を崩し、自らゴール前に走り込みチームを敗戦から救う3点目を挙げた。チャンスを広げるテクニックだけではなく、こぼれ球を精力的に拾う献身で、勝点1獲得に大きく貢献。
 
9 鈴木優真 6.5
高さと強さを発揮。ゴール前で相手守備陣の脅威になるだけではなく、左に開いて中盤の飛び出しを促しつつチャンスの起点にもなった。
 
交代出場
MF
13 中村充孝 6(38分IN)
守への切り替えが遅れる場面、1対1の対応で負ける場面もあったが、ボールへの執着心は目立った。安部の得点を落ち着いてアシスト。
 
DF
16 山本修斗 ―(72分IN)
2-1でリードしている場面で、安部に替わってイン。精力的に攻め上がったが、チャンスには絡めなかった。
 
FW
16 山口一真 ―(84分IN)
1点を追う状況で永木に替わりピッチへ。少ない時間の中で、鋭いグラウンダーのクロスで土居の同点弾をアシストした。
 
監督
大岩 剛 6
好調に転じてきており、中断中にさらに磨きをかけたサッカーを難敵とのアウェー戦で見せた。60分間は長短織りまぜた流麗なパスワークで相手を圧倒。リードされた終盤、ボランチを下げてFWを投入する采配で勝点1を引き寄せた。「やってきたことが出せたが、勝ち切れるチームにしていきたい」と抱負を語った。

※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を平均とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。