潰れた店が"100円ショップ"に変わる理由

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■18年度中には7000店の大台を超える見込み

「デフレの勝ち組」とも呼ばれ、急成長した100円ショップの勢いが依然として衰えない。大手4社の店舗は2017年に約400店増え、18年度中には国内の店舗数が7000店の大台を超えると見られている。

すでに市場が飽和状態にあるとの見方もあるが、この出店攻勢。背景には出店環境の変化があると流通業界に詳しい中小企業診断士の中井彰人氏は指摘する。

「各社ともかつてのように単独で路面店を出すのではなく、スーパーなどの中に間借りする形で新規出店するのが主流になっています。スペースをもらい什器を入れて間仕切りするだけで店舗を構えられるので、出店コストがかからず撤退も容易。スーパーの運営側には売り上げが落ちたテナントを手っ取り早く穴埋めしてくれるというメリットがあり、出店場所はまだたくさんあります」

100円ショップのマーケットが今もペースダウンしていないことも出店攻勢を支えているという。

「デフレ世代の若者の間で機能が十分あれば安いものでいいという考え方が根付いたことが大きいでしょう。商品の自社開発を進め、安くてかわいい商品を次々に投入し若い女性を取り込むのに成功したことも底上げにつながったといえます」(中井氏)

まだまだ勢いは続きそうだ。

(ジャーナリスト 竹中 明洋 図版作成=大橋昭一)