署名活動への支持を呼び掛ける元五輪代表の紀政氏(前列右から3人目)

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(台北 18日 中央社)「チャイニーズタイペイ」ではなく「台湾」名義での東京五輪出場を実現させようと、陸上の元五輪代表の紀政氏は17日、台北市内で記者会見を開き、自身が発起人となった署名活動への協力を呼び掛けた。紀氏らは11月下旬の公民投票(国民投票、住民投票)実施を目指しており、実施の条件を満たすためには来月末までに約28万人分の署名を集める必要がある。

台湾では、複数の市民団体が「台湾」名義での五輪参加申請への賛否を問う公民投票の実施に向けて署名活動を行っている。今年2月には4488人分の賛同署名を中央選挙委員会に提出し、次の段階に進むことが認められた。8月末までに有権者の1.5%に当たる28万1745人分の署名が集まれば、公民投票の実施が可能となる。

紀氏は自身が出場した1960年のローマ五輪、1964年の東京五輪、1968年のメキシコシティ五輪では、代表チームの呼称に「台湾」(1960年は「フォルモサ」)が使われたと言及。当時、「私たちの国は台湾だった」と強調した。また、日本でも署名活動が行われていることに触れ、「他の人が努力してくれているのに、私たちは何もせずにいていいのか」と訴えた。

この日の会見には、教育部(教育省)体育署の前身、行政院(内閣)体育委員会の主任委員を務めた許義雄氏や楊忠和氏らも参加。許氏は台湾名義での五輪参加は困難だとしながらも、「不可能を可能にしよう」と呼び掛けた。

(龍柏安/編集:楊千慧)